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前回ブログを書いてから2週間しか経過していないことに驚いている。業務の合間に何度かログインしていたが、他の方のブログやコミュニティのトピックをまともに読む時間は確保できなかった。

先週頃からか、何の文章を読んでも頭に入らないという奇妙な状態が訪れた。夜には必ず悪夢を見ては汗だくで目を覚ますということを繰り返し、持病の幻聴は止まない。同居の実姉からは仕事を辞めろ、家事もするな、と何度も言われたようだ。私はそれを普段の彼女の過度の干渉と捉えあまり気に留めもしなかったのだと思うが実際に私の様子はおかしかったようで、水道の水を流したままにしたり鍋を焦がしたりすることがあったらしい。私は憶えていない。

今朝になって半ば無理矢理に姉に伴われてかかりつけの精神科病院を受診した。主治医は休職か入院のいずれかしか無いと言い、私はいずれを選ぶこともできなかった。病気での休職を認めるような勤務先ではない。ひとまず職にはありついた。自分なりに努力して勤務した。ただそれだけ。何にもならなかった。そう思った。

待合室で姉から聞いた話では、私は先月の末頃から1日に3時間ほどしか眠っていないということであった。私は今月初めにある小部門のリーダーになった。業務マニュアルを整備しシフトを管理し、シフトの埋まらないところは自分が勤務した。姉は私の顔つきが険しいことや何度も声をかけないと反応を示さないことを指摘し続けてきたという。私は憶えていない。

病院の待合室で姉は再び私へ退職しろと言った。曰く、自分がいるから何とかなる。労働法を遵守する職場は必ず見つかるし、それを探す前に休め、と。
「それで貯金が尽きたらきみに食わせてもらうのか」と私は姉に尋ねた。
「それがこの国の掟だよ」と姉は答えた。「強い者は安全でいられる。弱い者は共食いするしかない」
「そのシステム通りぼくはきみの脛を齧る？」
「それが嫌だって言うなら、あんたなんか仮病扱いされて施設送りになって、また馬鹿な奴らに食い潰されるよ」
「だからって、きみがぼくを助ける理由なんか無いと思うけど」
「なんだよ冷たいなあ。気の狂った親に一緒に立ち向かった仲じゃん。また一緒にやろうよ」姉はそう言って笑った。

私は帰宅途中の電車の中でずっと眠った。悪夢を見なかった。短い時間の睡眠でもそのことだけで頭が少しはっきりしてくるものだ。このように今日あったことや聞いた話を拙いながら（以前から拙いが）書くこともできる。

私は今後どのように過ごすかについて何も決めていない。今後なるものが私にあるようにも思われない。
しかし今までだって今後と呼べるようなものなんか無かったのである。

『笑ってくたばる奴もいる』という古いハードボイルドの名作がある。劇中で「笑わせるよ」という敵の嘲笑に対し主人公が「笑ってくたばる奴もいるぜ」と言い返すシーンからタイトルが取られている。今の私の内面には情けない自身を嘲笑する自己と、それに抗い打倒しようとする自己との対立があるように見受けられる。

私は明るい未来を信じるつもりである。根拠無く楽観的にあってはならないが、良いイメージを心中に抱かないままでは良い方向へ向かえないものであるとも思う。そのうち死ぬのだしその時は苦しみのたうち回りながらなのかもしれないのだが、笑ってくたばることができれば良いし、くたばるまでの間も笑って過ごせればなお良い。