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２０年来の知人で６０歳になる男子。
数年前に心筋梗塞でいきなり倒れ
一旦は半分あの世へ、笑
生還はしたが、無理をして今度倒れると危ない、らしい。
無理のきかない体。
胸には大きな傷跡。
もうお婿にいけないね、と笑う私、睨む彼

その後の数年で彼の人生が大きく変わっていたことは
つい最近知った。
真面目、かどうか知らないけれど長く勤めていた工場が
倒産、子供との死別、離婚。
まあ、ドラマのようなコース。
主演は・・・という冗談はさておき。

元妻さんのアパートに居候をしているが
蓄えも底をつき、食うや食わず。
面接は何度も言ったが、ことごとく敗北。
面接に行く費用も心もとない。
しかも毎日、早く出て行け、と言われているのが辛い、とか。
月に１度は病院に行かなくてはならないが
それも行けず、です、と笑う。
笑うな！

多少の援助はしたが、際限なくでも困る。
生活保護の話をした。
最初はかなり抵抗していたが、背に腹は変えられず
申請します、と言っていたのが数ヶ月前。

先週、落ち着いたかと思って連絡したら
実は断られて、さらに困窮している、とのこと。
はあ？
彼の状況をどうみたら却下できるのだろう。
何回か役所にも相談に行き、
紹介されたサポートセンターにも足を運び、
してはいるのですが、条件を満たさないらしくて。
だから、どこが、と聞いても要領を得ない。
彼のように実直なだけで、笑
話もろくにできず、笑
お役所をお上、と思っていて、笑
断られると、自分に非があると思ってしまう人間は
役所には御し易いんだろうなあ。

ふと、一計を案じた私は、
ネットで検索した保護支援をしている法律事務所と
支援をサポートしている団体の電話番号を彼に伝え
状況を説明させた。
実は、これは、相談した事実を作るため、笑
案の定、両方とも、再度N区役所にいって、
担当者と話して、その結果を持ってきてくれ、とのこと。
で、彼に、N区役所に行ったら、
こことここに相談をして
今日の結果を持ってそこに行くことになっているので
メモを取らせてください、と言え、と伝えた。

当日、彼から、嬉しそうに連絡があった。
申請できることになりました。
なんてあからさまな結果 。
押してダメなら引いてみな、です。
皆様もお試しあれ、笑
でも、
こんな搦め手からの結果ではない、と信じたい。

窓口でああでもないこうでもない、と
あたら時間を無駄にさせて。
彼にとっては行くための数百円の交通費だって打撃だ。
虚偽申請をする人もいるだろう
制度は逆手に取る人はいる。
でも
とりあえず助けを求めた人は助けてやってよ。
あ、
助けじゃない。間違い。
彼の権利行使のための申請、だった。

まだ６０歳。
復活を祈る。