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眼前に拡がる、幾つもの清々しい光。
光の糸が調和し、それは見守る瞳（め）に
美しき天女の羽衣のような想いの刺繍となり。
無機質な天空（そら）へと昇華する。
しばしば、心を揺さぶる琴線と変化する･･･

初夏のある日。
それは騒々しい宙からの贈り物。白き雪。
それは、誰かの悪戯という思惑の雪。
悪戯な雪は、階下にある3年生の教室の
窓ガラスへ。
後輩の些細な悪戯の導火線が、怒りと言う
名の炎の爆発に変わり･･･
階段を踏み鳴らす喧騒と、重なる怒声と･･･
白い雪は怒りに踏み潰され、蹴散らされ。
黒と赤き彩にいつの間にか染まっていった。
平和の鳩になり損ねた白い雪。

過去･･･
無機質な鉄筋コンクリートの空間を壁を。
幾つものタイヤが踊ったと言う。
けたたましい爆音が、まるで行き場の無い、
青の悲哀と、苛立ちと、怒りの代弁の様に。
その混沌はやがて、モノクロツートンの車と、
赤く渦巻くサイレンに囲まれ、連行されて
行った子供の瞳の底に。
残影となり敢え無く沈んで行った･･･

初秋のある日。
その声糸が数時間だけ、清らかな波となり、
清涼な景色に変わる、施設の階段が無惨にも･･･
白き邪（よこしま）に塗り潰され、その赤き
錆び付いたボトルは残骸と化して、何本と
階段に転がっていたと言う。

だが、その全てを刻み込んで尚･･･
眼前に拡がる美しい何色もの光の糸は、
過去の過ちを赦したかの様に、何事も
無かったかの様に。
美しき心から滲む音に変え、織りなし。
確かにそこに聴き入る瞳には見えるのだ。
子供たちの持つ、純粋な可能性と、未来を。

※※※※

娘が卒業した中学校は、市内でも昔から
悪評の高い所だった。
嫁いだ先の家は、舅・旦那・娘と3代に渡り
ここの学び舎を卒業している。

旦那の時代が一番酷くて、教室の廊下に
バイクが疾走し、器物破損はしょっちゅう。
トイレに煙草は散乱し、廊下もガラスの破片。
常時、警察が張り込んでいたとか･･･
それこそ、ドラマで放映していた、
『積み木崩し』とまでは行かなかったが、
かなりの荒れようだった。
時は流れて大分大人しくなったとは言え、
娘が在校した時でもこんな有り様で、やはり
傷害事件を起こした子が居て、新聞に載り、
その子は少年鑑別所のお世話になったそうだ。

娘は部活と塾の両立を経て、希望の進学校に
何とか入学出来たが･･･
出身の中学校を話した途端に、眉をひそめる
友達や、親が居たと言う。
（そこの校区の中学には行きたくないと、
わざわざ私学を選ぶ進路を取る子も居る）
それだけ市内では悪評が染み付いているが、
名誉の為に断ると、卒業した中学校からは、
この年は10人以上、トップの高校に進学を
果たしたし、大体15～20パーセント程の
生徒は複数の進学校に例年進学出来ている。

･･･昔から、かの中学校では合唱コンクールを
秋には開催していて、例年生徒たちにパートを
決めさせ、4部合唱で歌わせている。
『青鷺』『消えた八月』『名付けられた葉』
『走る川』など･･･

卒業する際、それらの曲はアルバム編成され、
オリジナルCDを作製して、卒業生に渡される。

全国に目を向ければこの様なケースは沢山
あったと思うし、この中学校の様な事も
恐らく多く起こっていたと思われる。
あくまで一例に過ぎない。

その頃は、PTAの本部役員をしており、
中学校は良きも悪気も印象に残っている。
その当時に起こった様々な事件を思い出し、
駄文にて恐縮だが、詩文に起こしてみた。




↑合唱曲の中ではこれが1番心に沁みる。




↑コレも良い曲と思うのだが･･･