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しき さんの日記
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しき さんの日記

 
2020
9月 11
(金)
22:22
母と時計
本文
母の部屋の電波時計が止まった。
母がいつもどれほど時計を見ていたか、定かではないが
私がそれに気づかなかった1日。

昼の11時半に母がリビングにやって来た。
ちょっとおどけて「ご飯でもいただこうかしら」と言う。
いつもなら、お昼ご飯の支度を終えて、声を掛けてから来るのに?
と、訝しんだが
珍しくお腹が空いたのかと、急いで母の昼食を整え、2人で一緒に食べた。

「今日はどうしたの?声を掛けるまで待てないなんて珍しい」
と言うと
「だってもうお昼ご飯の時間じゃないの」と言う。

まぁね…11時半だからそうとも言う。
けれど、母の昼食は私が食べ終えた後、13時近くになってからなのだ。

その日の夜はもっと大変だった。
夕ご飯の支度が出来ました、と母に声を掛けたら
「こんな時間になっちゃったの?」と。
買い物に行ってたから、いつもよりちょっと遅いけど…
そこでもまだ母の言葉の裏には気づかない。
そして真夜中。

普段なら寝た後にトイレに起きるのは朝方だけ。
なのに一晩に3度もトイレに行く気配。
私が起き出して行って「具合が悪いの?」と聞けば
「グッスリ寝る前におトイレに行っておこうと思って」
とまだ寝ていないらしい顔で言う。
「何時だと思ってる?もう3時過ぎてるけど」
と、母の部屋の時計を見上げて、時計が止まっているのを知った。
時間は12時半だった。

そのせいで、一日中変だったんだわ。
昼と夜の区別はついても
見上げる度に目にする時間が、同じなことに気づかない…

私は直ぐに電池を入れ替えて、時計を動かした。
起こされて頭は寝ていたが、時計に翻弄されて1日を過ごした母が憐れでもあった。
時計の針が動いて、ちゃんとした時間になる。

私は寝込みを起こされた時より
幾分か優しい気分で母のベットを直し、足元にじゃれつく猫を抱いた。
猫もまた、眠そうな目を私に向けた。

「時計が動き始めたから、グッスリ眠ってね」
おやすみなさい。

猫も大きなあくびを一つして、母の腕にアゴを載せた。

その後は朝までずっと起きなかった。
母にとって時計は、時間を知らせる大切なアイテム。

母が迷走する時、必ずどこかに原因があるのだ。
それが今回は時計だった。


止まらずに 他に時を知る 術持たぬ
 母の見上げる 掛け時計
 
ーー祈り













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