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近所のコンビニのあるパートの方と家が近所で顔を合わせれば話をしていたのだが、今日また偶然に会い、その方は今月末で退職の見込であり現在は有給消化中であるということを伺った。私がお世話になったお礼を述べたところ、その人は居心地悪そうに「実はお詫びしないといけないことがありまして」と切り出した。

曰く、私はそのコンビニの関係者の方々の間で「良い死神」と呼ばれているということである。痩せていて黒い長髪で寒い時期には概ね黒い服を着ている等の印象に由来するそうだ。
私の知らない「悪い死神」と呼ばれている客も別におり、その客は時に理不尽な苦情や中身の無い問い合わせを述べるという。
またそのコンビニのオーナーの幼いご子息は「死神」という言葉を比較的早く習得したとのことであった。

私は可笑しく思いつつ、私が内心でその人をエルトン・ジョンに似ていると思って「ジョン」と勝手に名付けていたことを言うべきか迷った末に言わずにおいた。私が「良い死神」と呼ばれるのと異なり、私の心中のみの話であるので開示することにあまり意義が無いように思われたからである。

ジョンとは連絡先を交換し、今度の私の休日に飲みに行く約束をして別れた。姓名を教えて頂いたものの私は人の名前を憶えるのを苦手としているので、今後暫くは彼は私にとって「ジョン」のままである。