四季花花 さんの日記
2025
10月
16
(木)
09:58
本文

おはようございます。灰色の雲が空を覆い、陽射しはひそやかに、庭を静かに包み込んでいます。風は穏やかで、湿り気を含んだ空気が葉のひだにしっとりと絡みつくよう。緑の葉は光を失わず、それどころか曇り空の中でより深く、はっきりとした色合いを帯びてきています。朝の静寂のなかで、窓越しに見える庭の景色は、淡い影とぼんやりとした光が入り混じり、まるで水彩画のように柔らかな輪郭を描いています。
こんな日は、カップにほんのり温かいハーブティーを注ぎ、ゆるやかに香りを楽しみたくなります。煮出した茶葉からふんわり立ち上る湯気が、こういう季節の静けさを白く浮かびあがらせてくれます。本のページをひとつひとつめくるたび、葉の揺れや微かな風の息づきが、物語の背景のように感じられます。
庭の奥で、小さなリスが木の幹にのぼっては下りて、葉陰に姿を隠します。曇り空の下では、その姿も控えめで、慎ましやかさを帯びて映ります。落ち葉の上をかすかにかすめる足音も、湿った土のにおいも、すべてが曇天のフィルターを通して静かに響いてくるようです。
この曇りの日の静けさこそ、秋が深まりはじめた証。光が和らぐ分だけ、色も影も、呼吸も――ひとつひとつが柔らかに語りかけてくるように感じられます。今日という一日が、こうした曇天のやさしさと共に、心に静かな彩りを添えてくれますように。
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