android さんの日記
2025
7月
9
(水)
08:51
潤子♥
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未分類
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『潤子、SNSで時をかける』
潤子(58歳)は、自称“恋に生きる最後の昭和女”。
好きな言葉は「押してダメなら体ごと行け」、好きなタイプは「息してる男ならだいたいOK」。
近所の商店街では“女王蜂”と呼ばれているが、本人は「フェロモンのせい」と信じてやまない。
ある日、潤子はスマホ片手にインスタグラムを開いた。
なぜインスタかというと、知人の美代子に「若い男と出会うにはタグ付けが命」と教わったからだ。
「#筋トレ男子」「#カフェ男子」「#寝起きドッキリ」などの謎タグを駆使しながら、潤子は男漁りに余念がなかった。
そしてついに運命の出会いが訪れる。
アカウント名《toki_toki_1995》
爽やかな笑顔。鍛えられた腕。趣味はカフェ巡りとギター。プロフィールには一言、「年上好き、絶賛募集中」。
潤子、秒でフォロー。
DM第一声はこうだった。
「あなたの腹筋、国宝に申請していい?」
普通ならブロックだが、時男(28歳)はなぜか返信をくれた。
「ありがとうございます。初めまして、時男です。おいくつですか?」
潤子は正直に書いた。
「昭和42年製のビンテージ品よ。使用感はあるけど、まだまだ動くわよん♡」
時男は笑ってくれた。いや、たぶんスマホの前で呆れていた。が、それでも返事は来た。
やりとりが続くうち、潤子は恋に落ちた。というか、ズブズブに沈んだ。
ある日、勇気を出して会おうと提案した。
「じゃあ、渋谷のカフェで」と時男。
「えーと、渋谷って…銀座線?それとも田園都市線?ていうか、最近のカフェって椅子低くない?正座になっちゃうのよね私」
そんな不安を抱えながら、潤子は出かけた。朝から美容院、エステ、骨盤矯正まで駆け込み、顔は引きつっていた。
カフェに現れた時男は、画面の中のままだった。笑顔がまぶしい。
「…あれ?潤子さん、もしかして…60代?」
「ちょっと!レディに年齢聞くなんて非常識!まだ58よ!」
時男はしばらく沈黙したあと、言った。
「なんか、母親みたいですね。でも…面白いから、アリかも」
その日から2人は不思議な関係を築いた。
デートはもっぱら商店街。焼き芋を分け合い、時には銭湯で偶然を装い、潤子は「老け専向けアイドル」を自称し始めた。
時男は時男で、「潤子さん、友達に紹介したらドン引きされました。でも俺、嫌じゃないんですよね」とつぶやく。
恋なのか、笑い話なのか。
でも潤子は今日もスマホを見ながらニヤついている。
「ふふっ、やっぱり年下は、背筋も会話もピンとしとるわ〜♡」
潤子(58歳)は、自称“恋に生きる最後の昭和女”。
好きな言葉は「押してダメなら体ごと行け」、好きなタイプは「息してる男ならだいたいOK」。
近所の商店街では“女王蜂”と呼ばれているが、本人は「フェロモンのせい」と信じてやまない。
ある日、潤子はスマホ片手にインスタグラムを開いた。
なぜインスタかというと、知人の美代子に「若い男と出会うにはタグ付けが命」と教わったからだ。
「#筋トレ男子」「#カフェ男子」「#寝起きドッキリ」などの謎タグを駆使しながら、潤子は男漁りに余念がなかった。
そしてついに運命の出会いが訪れる。
アカウント名《toki_toki_1995》
爽やかな笑顔。鍛えられた腕。趣味はカフェ巡りとギター。プロフィールには一言、「年上好き、絶賛募集中」。
潤子、秒でフォロー。
DM第一声はこうだった。
「あなたの腹筋、国宝に申請していい?」
普通ならブロックだが、時男(28歳)はなぜか返信をくれた。
「ありがとうございます。初めまして、時男です。おいくつですか?」
潤子は正直に書いた。
「昭和42年製のビンテージ品よ。使用感はあるけど、まだまだ動くわよん♡」
時男は笑ってくれた。いや、たぶんスマホの前で呆れていた。が、それでも返事は来た。
やりとりが続くうち、潤子は恋に落ちた。というか、ズブズブに沈んだ。
ある日、勇気を出して会おうと提案した。
「じゃあ、渋谷のカフェで」と時男。
「えーと、渋谷って…銀座線?それとも田園都市線?ていうか、最近のカフェって椅子低くない?正座になっちゃうのよね私」
そんな不安を抱えながら、潤子は出かけた。朝から美容院、エステ、骨盤矯正まで駆け込み、顔は引きつっていた。
カフェに現れた時男は、画面の中のままだった。笑顔がまぶしい。
「…あれ?潤子さん、もしかして…60代?」
「ちょっと!レディに年齢聞くなんて非常識!まだ58よ!」
時男はしばらく沈黙したあと、言った。
「なんか、母親みたいですね。でも…面白いから、アリかも」
その日から2人は不思議な関係を築いた。
デートはもっぱら商店街。焼き芋を分け合い、時には銭湯で偶然を装い、潤子は「老け専向けアイドル」を自称し始めた。
時男は時男で、「潤子さん、友達に紹介したらドン引きされました。でも俺、嫌じゃないんですよね」とつぶやく。
恋なのか、笑い話なのか。
でも潤子は今日もスマホを見ながらニヤついている。
「ふふっ、やっぱり年下は、背筋も会話もピンとしとるわ〜♡」
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