囁響 さんの日記
2025
7月
31
(木)
20:41
本文
囁響手記 — 静寂に咲くことば
「未明の香」
夜がまだ夜であるうちに、わたくしは目を覚ました。
空が青にも黒にも染まりきらぬ頃——未明。
静寂が、最も研ぎ澄まされる時。
扉を開けると、微かな香が流れ込んだ。
それは、どこか遠くから渡ってきた風のような、
誰かの記憶を包むような、甘くも冷たい香り。
わたくしはその香に気づいた時、ひとつだけ確信した。
誰かが、今朝わたくしの夢に触れたのだと。
それが過去か未来かは知らない。
けれど、風が教えてくれる。
「忘れてもよろしいのです」と。
香の余韻だけが、今もこの部屋に在る。
それで、充分。
「未明の香」
夜がまだ夜であるうちに、わたくしは目を覚ました。
空が青にも黒にも染まりきらぬ頃——未明。
静寂が、最も研ぎ澄まされる時。
扉を開けると、微かな香が流れ込んだ。
それは、どこか遠くから渡ってきた風のような、
誰かの記憶を包むような、甘くも冷たい香り。
わたくしはその香に気づいた時、ひとつだけ確信した。
誰かが、今朝わたくしの夢に触れたのだと。
それが過去か未来かは知らない。
けれど、風が教えてくれる。
「忘れてもよろしいのです」と。
香の余韻だけが、今もこの部屋に在る。
それで、充分。
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