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やいやい、また来てくれたんかい。今日はな、ワシの誕生日に起こった、なんともありがたくも痛〜い話を聞いてっておくんなまし。

あれは数年前の秋、誕生日が近づいたある日のこと。うちの嫁ちゃんが「お義母さん、今年は私がケーキ作りますね！」なんて言い出したんよ。最初は「ほぉ〜それはうれしいわ〜」って笑ろうたけど、内心ちょっとだけ不安やった。なにせこの嫁、先月は味噌汁をカフェオレ色に仕上げた実績があるさかいな（笑）。

けどまぁ、気持ちがありがたいじゃろ？ ワシもそれを素直に受け取って、楽しみにしとったわけや。

そして誕生日当日。リビングに入ると、テーブルの上にはそれなりに見た目のええチョコレートケーキがどんと鎮座しとる。「お義母さん、どうぞ！」とにこにこ笑う嫁ちゃん。フォークで一口いただいたんやけどな──その瞬間よ。

「ガリッ！！」

って音がして、ワシの口の中で何かが砕けた。痛っ…！？ 慌てて手を口に当てたら、あらまぁ前歯がかけとるやないかい！ 嫁ちゃん、びっくりして青ざめて、「まさか、あのチョコチップが…」とつぶやく。

そう、原因は“冷凍庫で半年以上眠ってた”チョコチップ。カチカチに固まっとって、ケーキの中でまるで砂利よ。チョコいうよりも、まるで凶器。歯で割れるもんじゃなかったわい。

そのまま歯医者に直行して、先生に「あ〜これは見事にやられてますね」って診断されて、ワシの誕生日は「歯医者でフィニッシュ」となりましたとさ。

でもな、帰ったら嫁ちゃん、台所でしょんぼりしながら泣いとるんよ。「私、もう二度とケーキ作らない…」って。あの時はワシも胸がキューッと締めつけられたねぇ。「あんたの気持ちがいちばんうれしかったんやで」って、そう声かけて、仲直りしたわけです。

それからというもの、我が家では「チョコチップ使用禁止令」が出されました（笑）。けど、あの手作りケーキは、今でも忘れられん誕生日の思い出。歯はかけたけど、家族の絆は深まった…ちゅうことにしといてな。

ほなまたな、次は「銭湯で滑ってストリップショーになった話」でも語ろかねぇ。読んでくれてありがとさん。朝夕まだ冷える日もあるでね歯も心もあったこうして過ごしなされよ〜。