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灯影ユウ さんの日記
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灯影ユウ さんの日記

 
2025
5月 22
(木)
03:35
抗がん剤の午後――壊れていく体、残された心
本文


灯影ユウ

生きるために「壊される」という矛盾
抗がん剤――それは、がんを殺す薬じゃない。
私の身体そのものを殺しながら、がん細胞を道連れにするようなものだった。
点滴の針が腕に刺さるたびに、「ああ、また今日も始まるんだ」と心の中で小さく息を吐いた。

「大丈夫ですか?」と看護師さんに笑顔で声をかけられるたび、
「大丈夫じゃないけど、大丈夫なふりをする」のが日課になった。

治療室は無機質で静か。
時計の針の音と、点滴の滴るリズムだけが鳴っていた。

変わっていく体、消えていく自分
ある朝、鏡の前に立って、私は泣くことすらできなかった。
まつ毛も眉毛も抜け、唇は血の気を失い、肌は乾いてひび割れていた。
自分の顔なのに、自分じゃない。
女であることを奪われていく感覚。
でも、それ以上に「人間であること」すら奪われていくような気がした。

食べ物の味がしなくなり、口内炎ができて、ただ水を飲むだけで痛かった。
そのうち、喉を通すことさえ恐ろしくなって、「食べる」という行為そのものが苦痛になった。

誰にも言えなかった「孤独」
家族は「頑張って」と言う。
医師は「順調です」と言う。
でも私は、毎日、心のどこかで「これ以上、なにを頑張ればいいの?」と叫んでいた。

SNSに「治療がんばってます!」なんて書けなかった。
元気なふりをするたびに、自分がどんどん透明になっていくようで怖かった。

夜、誰にも会いたくなくて、誰かに助けてほしくて、でも誰にも連絡できない――
そんな時間を、私はひとりで何度も過ごしてきた。

それでも、涙が枯れた日は来なかった
涙って、枯れるものだと思ってた。
でも、毎日泣いても、涙は止まらなかった。
不思議と、それが「まだ心が死んでいない証」のように思えて、少しだけ安心した。

人はこんなにも壊れても、まだ息をしている。
この矛盾の中に生きること、それが抗がん剤治療だった。

終わりに――痛みの中に、私がいる
今日も点滴の針が私の腕に刺さる。
もう慣れた。でも、それが「当たり前になった」ことが怖い。

けれど、この痛みの中にしかいない私も、確かにここにいる。
それを、どうか忘れないでほしい――
私自身にも、そして、同じように苦しんでいるあなたにも。


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