スピカ さんの日記
2023
4月
8
(土)
11:23
本文
ああ、またメアリーさんに怒られるなぁ・・
霧雨の降る人足も途絶えた真夜中の街を
憂鬱な気持ちで前田(仮名)は歩いていた。
もうとっくに日付は変わっている。
今夜は職場の仲間内の飲み会だったのだが、
慣例となっている二次会のカラオケ大会が
お開きになるといつもこんな時間に
なってしまう。
せめて日付が変わる前に
帰宅できないものかと恐妻家の前田は
思うのであるが、そういうことを内輪での
カーストの低い彼が進言したりできるはずもなく、
それにいつからかカラオケ大会の最後は前田の歌う
フジファブリック「若者のすべて」に合わせ、
参加者全員がサビの部分の合唱して締めくくる
という暗黙のきまりができていたために
帰りたくても帰れないのであった。
前田はとぼとぼと自転車を預けていた
山陽電鉄姫路駅西側の駐輪場までやってきた。
かなり飲んだ気もするが酔いはすっかり
醒めてしまっている。
ターミナル駅の近くなので日中は人通りの
多いところなのだが真夜中ともなるとさすがに
人影もないなぁなどとぼんやり思いながら
財布から小銭を出そうとした前田は
50メートルほど先の歩道の手すりの傍らに
佇んでいる人影を見つけて違和感を感じた。
けれどおそらく迎えの車でも待っているのだろうと
思い、精算機にコインを投入して車輪のロックを
解除して自転車に跨り顔を上げたところで
驚愕のあまり固まってしまった。
向こうの手すりの傍らにいたはずの見知らぬ男が
無言で前田の顔を覗き込んでいたそうである。
前田はそこからの記憶が飛んでいるのだと述懐する。
気がついたときはボーナスで買ったPEUGEOTの
自転車と共に家の近くまで戻っていたらしい。
後日職場にてこの顛末を聞いた我々は忌憚のない
意見を述べ合った。
※ 単にボケてて電柱か何かを人と見誤って
腰を抜かしただけ。
※ おやじ狩りに遭ったものと思われるが、いかにも
金持ってなさそうだった為、事なきを得た。
※ もろ地縛霊やん。
真相は今も闇のなかである。
霧雨の降る人足も途絶えた真夜中の街を
憂鬱な気持ちで前田(仮名)は歩いていた。
もうとっくに日付は変わっている。
今夜は職場の仲間内の飲み会だったのだが、
慣例となっている二次会のカラオケ大会が
お開きになるといつもこんな時間に
なってしまう。
せめて日付が変わる前に
帰宅できないものかと恐妻家の前田は
思うのであるが、そういうことを内輪での
カーストの低い彼が進言したりできるはずもなく、
それにいつからかカラオケ大会の最後は前田の歌う
フジファブリック「若者のすべて」に合わせ、
参加者全員がサビの部分の合唱して締めくくる
という暗黙のきまりができていたために
帰りたくても帰れないのであった。
前田はとぼとぼと自転車を預けていた
山陽電鉄姫路駅西側の駐輪場までやってきた。
かなり飲んだ気もするが酔いはすっかり
醒めてしまっている。
ターミナル駅の近くなので日中は人通りの
多いところなのだが真夜中ともなるとさすがに
人影もないなぁなどとぼんやり思いながら
財布から小銭を出そうとした前田は
50メートルほど先の歩道の手すりの傍らに
佇んでいる人影を見つけて違和感を感じた。
けれどおそらく迎えの車でも待っているのだろうと
思い、精算機にコインを投入して車輪のロックを
解除して自転車に跨り顔を上げたところで
驚愕のあまり固まってしまった。
向こうの手すりの傍らにいたはずの見知らぬ男が
無言で前田の顔を覗き込んでいたそうである。
前田はそこからの記憶が飛んでいるのだと述懐する。
気がついたときはボーナスで買ったPEUGEOTの
自転車と共に家の近くまで戻っていたらしい。
後日職場にてこの顛末を聞いた我々は忌憚のない
意見を述べ合った。
※ 単にボケてて電柱か何かを人と見誤って
腰を抜かしただけ。
※ おやじ狩りに遭ったものと思われるが、いかにも
金持ってなさそうだった為、事なきを得た。
※ もろ地縛霊やん。
真相は今も闇のなかである。
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