ひろひろ48 さんの日記
2022
9月
15
(木)
00:24
本文
何年か前、NHKの番組で、フランス発の新しい認知症のケアの方法が紹介された。それは、ユマニチュード。
フランス人であるイヴ・ジネストとロゼット・マレスコッティが提唱した方法で、ユマニチュードという言葉は、フランス語の造語で「人間らしさを取り戻す」という意味だそうです。
ユマニチュードには、「4つの柱」があります。言葉でのコミュニケーションだけでなく、言葉によらないメッセージにより相手を想う気持ちが伝わりやすくなります。
見る:話しかける際は、目線の高さを合わせ、目を見つめてコミュニケーションをします。
話す:言葉遣い、穏やかな声であることや、高すぎない声で、安心感や心地よさを感じてもらえます。また、これから行うケアの内容を前向きな言葉で伝える「オートフィードバック」という手法も用います。
触れる:つかむのではなく、触れる、支える、優しく動かすようにします。スキンシップは大切です。
立つ:必要な動作をできるだけ立って行うようにして、寝たきり予防につながります。
今朝の新聞の介護シニアの欄のコラムにいい話があるので、紹介します。
「手を握り思い出 語って」by 精神科医・渡辺俊之
嘱託医として故郷の群馬県の老人ホームに通っています。新しく入居した女性のAさん(92)は認知症がかなり進み、なかなか言葉を発することができません。Aさんの名前と顔を見た時、私はなぜか懐かしい気持ちになりました。
車椅子に座ってぼんやりと遠くを眺めていたAさんに声を掛けました。何か言いたそうなAさんの顔を見て、ハッと気が付きました。Aさんは私の幼なじみの母親だったのです。もう50年も前、一緒に食事をしてくれたり、遊んでくれたりした記憶がよみがえりました。私は思わずAさんの手を握り「○○ちゃんの友達のトシユキです。覚えてますか」と話しかけました。Aさんは「うん」とほほ笑みました。遠い昔の温かい感情が通い合った瞬間でした。
私たちには感情記憶とうものがあります。その出来事がいつ、どこで起き、相手が誰だったのか。「情報」は忘れても、その時体験した「感情」は残っているのです。
英ケンブリッジ大の研究では、感情記憶を呼び起こすことが認知症の人の脳活動を高めると報告されています。こうした記憶の覚醒には、手に触れるなどの行為が役立つようです。
以前、認知症の夫を介護する妻が夫婦の思いでの品を部屋に飾ると、二人の気持ちが安定したという記事が載りました。物忘れが増えても、記憶と結びついた「感情」は覚えています。手を握り、楽しかった思い出を話してみましょう。きっと、温かいほほ笑みを返してくれると思います。
<引用以上>
人間らしいケア、介護が望まれますが、現実は、あまりに安い労働条件などで慢性的な人出不足。30人ほどを3ー4人くらいのヘルパーさんで見ているのが現実。とてもきめ細やかな介護は望むべくもありません。ヘルパーさんは、食事の介助、トイレ(おむつ)の介助、おやつの介助、飲み物の世話などで、一日走り回っています。それでも、バイト先の介護ホームはまだ、いい方だという。リハビリもあるし、看護付きだし。
ヘルパーさんの待遇改善、人手不足解消など、根本的な対策がなければ、「人間らしい」介護はむつかしいのかもしれない。
フランス人であるイヴ・ジネストとロゼット・マレスコッティが提唱した方法で、ユマニチュードという言葉は、フランス語の造語で「人間らしさを取り戻す」という意味だそうです。
ユマニチュードには、「4つの柱」があります。言葉でのコミュニケーションだけでなく、言葉によらないメッセージにより相手を想う気持ちが伝わりやすくなります。
見る:話しかける際は、目線の高さを合わせ、目を見つめてコミュニケーションをします。
話す:言葉遣い、穏やかな声であることや、高すぎない声で、安心感や心地よさを感じてもらえます。また、これから行うケアの内容を前向きな言葉で伝える「オートフィードバック」という手法も用います。
触れる:つかむのではなく、触れる、支える、優しく動かすようにします。スキンシップは大切です。
立つ:必要な動作をできるだけ立って行うようにして、寝たきり予防につながります。
今朝の新聞の介護シニアの欄のコラムにいい話があるので、紹介します。
「手を握り思い出 語って」by 精神科医・渡辺俊之
嘱託医として故郷の群馬県の老人ホームに通っています。新しく入居した女性のAさん(92)は認知症がかなり進み、なかなか言葉を発することができません。Aさんの名前と顔を見た時、私はなぜか懐かしい気持ちになりました。
車椅子に座ってぼんやりと遠くを眺めていたAさんに声を掛けました。何か言いたそうなAさんの顔を見て、ハッと気が付きました。Aさんは私の幼なじみの母親だったのです。もう50年も前、一緒に食事をしてくれたり、遊んでくれたりした記憶がよみがえりました。私は思わずAさんの手を握り「○○ちゃんの友達のトシユキです。覚えてますか」と話しかけました。Aさんは「うん」とほほ笑みました。遠い昔の温かい感情が通い合った瞬間でした。
私たちには感情記憶とうものがあります。その出来事がいつ、どこで起き、相手が誰だったのか。「情報」は忘れても、その時体験した「感情」は残っているのです。
英ケンブリッジ大の研究では、感情記憶を呼び起こすことが認知症の人の脳活動を高めると報告されています。こうした記憶の覚醒には、手に触れるなどの行為が役立つようです。
以前、認知症の夫を介護する妻が夫婦の思いでの品を部屋に飾ると、二人の気持ちが安定したという記事が載りました。物忘れが増えても、記憶と結びついた「感情」は覚えています。手を握り、楽しかった思い出を話してみましょう。きっと、温かいほほ笑みを返してくれると思います。
<引用以上>
人間らしいケア、介護が望まれますが、現実は、あまりに安い労働条件などで慢性的な人出不足。30人ほどを3ー4人くらいのヘルパーさんで見ているのが現実。とてもきめ細やかな介護は望むべくもありません。ヘルパーさんは、食事の介助、トイレ(おむつ)の介助、おやつの介助、飲み物の世話などで、一日走り回っています。それでも、バイト先の介護ホームはまだ、いい方だという。リハビリもあるし、看護付きだし。
ヘルパーさんの待遇改善、人手不足解消など、根本的な対策がなければ、「人間らしい」介護はむつかしいのかもしれない。
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