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その子二十歳櫛に流るる黒髪の
おごりの春の美しきかな

色っぽいなあ。
ため息が出る。

晶子さん、といえばもう一首

柔肌の熱き血潮に触れもみで
寂しからずや道を説く君

鉄幹はきっとぐうの音も出なかったであろう。

君死にたもうことなかれ、もそうだ。
当時の世相を思えば
晶子の精神の飛翔の高さ、自由さ、強さは
一驚に値する
彼女のように生きられた女性は少ないのではなかろうか。
しかし、確かにいた。
自分の生き方もそうありたい、と思う。

新宿区神楽坂
路地裏で子供らがゴム段遊びをしている。
夕暮れ、家々の門灯に火が入る。
遊んでいた子供達は家路につき
入れ替わりに、綺麗に髪を結い上げたお姉さん達が
名入りの茶屋の門灯の奥の引き戸を開けて
お座敷へとお出まし。
昼と夜の交錯する時。
街が一変する。色街になる。
黒塀の奥から三味線の音が聞こえる。

塀に設えられた大きな木製のゴミ箱に寄りかかって
夕闇の迫る中
その変貌する様を一人ぼーっと眺めていた。
艶かしさを伴った逢魔が時。
夜の街へと変わっていくときの
不思議な恐怖。
見てはいけない世界の持つ甘美な誘惑に
胸をドキドキさせながら。
今にもあちらの世へ足を踏み入れる。
と、
姉やが呼びに来る。
嬢や、お母様がお待ちですよ、
で、我に返る。
ナルニア国へは行けなかった、笑

昼は全く異なる様相を見せる。
駅から続く坂道の両側に
小さな商店が軒を連ね、
雑多に人々が行き交う明るい商店街。
坂の途中の甘味屋さんで
買い物帰りに、母とあんみつを食べた。
田原屋さん。
後年、anan、だったか、雑誌の神楽坂特集で
まだあることを知った。

この二つの様相を呈した街で産まれた。
幼年期を過ごしただけなので
日本情緒に染まることなく
今はすっかりミーハーの西洋かぶれ、笑
てやんでえ。

さて、ブランチ
ここ数日、寒い。
６月の梅雨寒とはいえ。
で、今日は海鮮クリームシチュー
寒い時はこれ。
生ハマムのオープンサンド
オイルサーディンのサラダ
フルーツはゴールデンパイン、イチゴ、ブルーベリー
このイチゴは、実は冷凍、笑
ブルーベリー
コーヒーはマンデリン

お水のグラスが変わっている。
以前のバカラのエキノックスを割ってしまったので(^_^;)
同じくバカラではあるがローハン
繊細に施されたガラス面の細工が綺麗。