40代・50代・60代・70代の友達作り・趣味探し・交流サイト

私の机の引き出しに、何故そこにあるのか？
が、思い出せない本が一冊ある。

それは「量子論」という名のハードブック。
幅、1センチくらいの日記帳サイズ…
最後のページに、昭和60年〇月〇日の日付けと
〇〇〇〇蔵書、と男性の名前が書いてある。
東京大学工学部　応用物理学科、とも記されている。

この名前の人の事は、全く思い出せないか、知らない。
何故この本が手元にあるのかも、思い出せないか知らないと言う…不思議な本だ。

最初の「編集趣旨」を読んだだけで投げ出したくなる。
内容は全く理解不能。

何この数式？（笑）

で、読んでみるより
この本が私の手元にやって来るまでの軌跡を、想像してみる方が、何倍も面白いだろうと思った。

関わりがありそうなのは
昔々、付き合っていた千葉大工学部の人？
住んでいた部屋が上と下で、お互いに行き来していたから
彼なら読んでいたかもしれない本だ。
でも…彼が勉強してたのを見たことがない（笑）

別れた後、彼は大学を中退し劇団に入った。
一度、連絡があって原宿までワークショップを観に行った。
何事にも冷めていて怠惰だった彼が、あまりにも真剣だったので
母親の気分になって泣けた。
彼はそんな自分を、見て欲しかったのだろうと思う。


過去の事を思い出し、非現実に想いが飛んだが
本に書かれている名前が彼のものではない事、昭和60年には、私は自宅に帰っていた事
などの現実に戻る。

又は

どこかの古本屋さんで、何冊か買った本と共に買ってしまったのだと思おう。
量子学…目次の中にある波動、の言葉。
この辺りが、もしかしたら私の琴線に触れたのかも知れない。
（古本屋さんで本を買った覚えがないけど）

その他いろいろなパターンで、この本が今手元にある不思議を思った。
一冊の本から派生する想像力。
連想ゲーム、邂逅、諸々が入り混じり飽きない。

そうだ
何年か前に、後でこの本を手にした私が
いろいろ悩むだろうと考えた、自身の悪戯だった可能性もあるな

それにしても
この人は今何をしているんだろう？

想像の翼は
何の変化も無くなった生活を、面白おかしく過ごすのに必要不可欠であるのかも知れない。
だとしたら、もっと多くの経験を重ねて、思い出すだけで心躍る日々を過ごさなくてはね

私が呼吸を止めるその日まで
このギフトの様な翼が、ずーっと広がり続ける事を願って止まない。