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ハッピーターンが好きである。実際にはマイナーチェンジを繰り返しているのかもしれないが、昔から変わらない完成された味わいは忙しい日々に疲れた心身を受け止め活力を与えてくれる。

私はハッピーターンを食べる時にはスマホも見ず音楽も聴かず黙って空の一点を見つめながら一袋を一気に完食する。ホテルの部屋のドアに掛ける'Don't disturb me.'という札には'I'm losing myself in Happyturn.' という一文を書き加えたいことがある（間違っていたらごめんなさい）し、ハッピーターンを食べている最中に火事が起こったら逃げ遅れるかもしれないという危惧もある。それで本望かと尋ねられることがあれば答えには逡巡するものの、他にもっと悪い最期はたくさんあるだろう。

思えばスナック菓子には助けられてきた。疲労が激しくなると人間はものを食べる気力を削がれるのである。簡単な調理をする力すら残っていない場合には手っ取り早くカロリーを摂取できて抵抗無く口に入る買い置きのスナック菓子が頼みの綱になる。
若かりし頃のサラリーマン時代にはハッピーターンとかっぱえびせんが私の生命を牽引した。またかのカールの廃盤の報せは私を悲嘆に暮れさせた。
キャベツ太郎にも礼を述べねばならない。
ドリトスにも。
謝意を伝えたい相手の多くは今もスーパーやドラッグストアの棚に並んでいる。頼もしい限りである。

私の味覚や食生活を貧しいと言う向きもあろうが、その貧しさを何か悪いものと私は認識していない。赤貧と清貧は時に一致することがある。