ひろひろ48 さんの日記
2022
2月
13
(日)
18:21
本文
ロシアとNATO(EU、米国)が、ウクライナの国境をはさんでにらみ合っている。まるで戦争前夜だ。ロシア系だろうが、そうでなかろうが、ウクライナの国民は戦争を望んでいない。ロシアの兵隊もそうだろう。もちろん、EUの兵隊もアメリカの兵隊も。戦前の日本、大正デモクラシーのころまでは。第一次世界大戦は、西欧の列強、帝国主義たちの植民地の奪い合い。第二次世界大戦も植民地、経済的利権をめぐって、前の大戦での巨額な賠償金を背負ったドイツ、ナチスに引き込まれた戦争。日本もアメリカとの経済衝突から軍部が突出し強行した戦争。勝っているときは国民も熱狂、戦争賛成。
戦争を起こしたい、その国を支配する階層と、国民を戦争に向かわせるプロパガンダ。戦争で一時的にせよ景気が良くなると、さらに戦争を支持する?戦争を続けるために国民に犠牲を求める国家。
国ってなんだろうね。国のためって、誰のため?
ナチスドイツが、当時のソ連を侵略し反撃のため多くの女性が戦争の前線に駆り出された。たまたまか、偶然か、それに関連した書籍についての記事が二つあったので、紹介したい。
大波小波「引き揚げ女性の受難」by 昌
一部のロシア文学者が、アレクシエーヴィチを支持する理由はわからなくもない。女性でノーベル文学賞、しかも政治的に迫害されている。三点セットである。しかし彼らは財部鳥子(たからべとりこ)の「天府 宴府」を読んだことがあるだろうか。
「戦争は女の顔をしていない」に描かれていたソ連の女性兵士たちは、同時に旧満州国から帰国しようとした日本人少女に性的奉仕を求めた兵士でもあったのだ。
平井美帆の「ソ連兵に差し出された娘たち」(集英社)を読んだ。昨年の開高健ノンフィクション賞受賞作である。長い間、誰もあえて触れようとしなかった敗戦直後の女性引き揚げ者の悲惨を、直接当事者に聞いて執筆された力作だ。開拓団の娘たちは引き揚げ途上にソ連軍に「供出」され、帰国後も「けがれた女」として差別を受けた。年齢は10代半ばから20歳そこそこである。「接待」の命令を下したのは開拓団幹部だった。
今や性差別を告発する本はブームであるが、まさにこれは、触れれば血が噴き出るほどに傷ましい記録文学である。日本人が日本人の女性を売ったのだ。従軍慰安婦など韓国の他人事だとタカをくくってた者たちは、女性の受難がバンコク共通だと知るだろう。
<引用以上>
本音のコラム「戦時性暴力を描く」by 斎藤美奈子(文芸評論家)
直木賞には落ちる本屋大賞にノミネートされている、逢坂冬馬「同志少女よ、敵を撃て」が評判だ。独ソ戦に参戦したソ連軍の女性兵士を描いた長編である。ドイツ軍の攻撃で壮絶な体験をした少女たちが集められ、ハードな訓練を経て優秀な狙撃兵に成長、復讐心を胸に戦場に赴く。
「史実を背景にした戦闘美少女モノかな」「そうだね、アニメっぽい」「漫画やアニメになったらヒットするよね」
なんて会話を先日もしたのだが、そこで話題になったのが「このシーンをアニメならどう描くだろう」だった。「同志少女」にはソ連兵の性暴力の場面があるのだ。
戦時性暴力はなぜ発生するのか。戦争という非常時のせいなのか。
開高健賞を受賞した平井美帆「ソ連兵へ差し出された娘たち」はそこに横たわる女性蔑視の構造を暴き出している。満州(現在の中国東北部)から引き揚げる途中のある開拓団で事件は起きた。
ソ連軍に自分たちの団を守ってもらうのと引き換えに「接待」と称して18~20歳の娘たちを差し出す。「身体を張って犠牲になってほしい」と命じられた娘たちに断る選択肢はなかった。
現実は物語よりいつだって陰湿だ。女性蔑視を告発する姿勢をやはり示しんあがらも「同志少女」にアニメが重なって見えるのは、実感に乏しい異国の物語だからかもしれない。
<引用以上>
内戦や軍事クーデターで、住んでいたところから逃げるしかなくなった難民も、いつも弱者に一番の犠牲が強いられる。誰のため?なんのため?戦争が起こされる??
戦争を起こしたい、その国を支配する階層と、国民を戦争に向かわせるプロパガンダ。戦争で一時的にせよ景気が良くなると、さらに戦争を支持する?戦争を続けるために国民に犠牲を求める国家。
国ってなんだろうね。国のためって、誰のため?
ナチスドイツが、当時のソ連を侵略し反撃のため多くの女性が戦争の前線に駆り出された。たまたまか、偶然か、それに関連した書籍についての記事が二つあったので、紹介したい。
大波小波「引き揚げ女性の受難」by 昌
一部のロシア文学者が、アレクシエーヴィチを支持する理由はわからなくもない。女性でノーベル文学賞、しかも政治的に迫害されている。三点セットである。しかし彼らは財部鳥子(たからべとりこ)の「天府 宴府」を読んだことがあるだろうか。
「戦争は女の顔をしていない」に描かれていたソ連の女性兵士たちは、同時に旧満州国から帰国しようとした日本人少女に性的奉仕を求めた兵士でもあったのだ。
平井美帆の「ソ連兵に差し出された娘たち」(集英社)を読んだ。昨年の開高健ノンフィクション賞受賞作である。長い間、誰もあえて触れようとしなかった敗戦直後の女性引き揚げ者の悲惨を、直接当事者に聞いて執筆された力作だ。開拓団の娘たちは引き揚げ途上にソ連軍に「供出」され、帰国後も「けがれた女」として差別を受けた。年齢は10代半ばから20歳そこそこである。「接待」の命令を下したのは開拓団幹部だった。
今や性差別を告発する本はブームであるが、まさにこれは、触れれば血が噴き出るほどに傷ましい記録文学である。日本人が日本人の女性を売ったのだ。従軍慰安婦など韓国の他人事だとタカをくくってた者たちは、女性の受難がバンコク共通だと知るだろう。
<引用以上>
本音のコラム「戦時性暴力を描く」by 斎藤美奈子(文芸評論家)
直木賞には落ちる本屋大賞にノミネートされている、逢坂冬馬「同志少女よ、敵を撃て」が評判だ。独ソ戦に参戦したソ連軍の女性兵士を描いた長編である。ドイツ軍の攻撃で壮絶な体験をした少女たちが集められ、ハードな訓練を経て優秀な狙撃兵に成長、復讐心を胸に戦場に赴く。
「史実を背景にした戦闘美少女モノかな」「そうだね、アニメっぽい」「漫画やアニメになったらヒットするよね」
なんて会話を先日もしたのだが、そこで話題になったのが「このシーンをアニメならどう描くだろう」だった。「同志少女」にはソ連兵の性暴力の場面があるのだ。
戦時性暴力はなぜ発生するのか。戦争という非常時のせいなのか。
開高健賞を受賞した平井美帆「ソ連兵へ差し出された娘たち」はそこに横たわる女性蔑視の構造を暴き出している。満州(現在の中国東北部)から引き揚げる途中のある開拓団で事件は起きた。
ソ連軍に自分たちの団を守ってもらうのと引き換えに「接待」と称して18~20歳の娘たちを差し出す。「身体を張って犠牲になってほしい」と命じられた娘たちに断る選択肢はなかった。
現実は物語よりいつだって陰湿だ。女性蔑視を告発する姿勢をやはり示しんあがらも「同志少女」にアニメが重なって見えるのは、実感に乏しい異国の物語だからかもしれない。
<引用以上>
内戦や軍事クーデターで、住んでいたところから逃げるしかなくなった難民も、いつも弱者に一番の犠牲が強いられる。誰のため?なんのため?戦争が起こされる??
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