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エアコンの取り付け工事を頼んだら
二十歳になるかならないかの若者がやってきた。

まだ完成しきっていないひょろっとした骨格。
あどけなさの残る端正な顔。
金髪にピアス。

作業ズボンはちょっと腰履き風。

電話でぼそぼそと滑舌が悪かったし、この元ヤン風の印象に正直、大丈夫かなあ、と思っていたが

…むむ。
黙々と一人作業するその手際。
二人で談笑しながら作業したこの前のおっさん二人組よりずっといい感じ。

｢アッチの部屋にいるから用があったら声をかけて」

「かしこまりました」

うわ～
胸にキュンと響く対応。

もともとあったエアコンについての疑問にも丁寧に答えてくれた。

この年にして既に1人前と言える経験を積んでいるとみた。中卒で働いているのかも。

別に勉強したいわけでもないのに猫も杓子も「とりあえず」大学へ行く時代
それでも食っていくのはなかなか楽じゃない（人が多い）

若いうちから手に職を、ってことがもっと見直されても良いんじゃないだろうか。

去り際に、帽子を脱いで、｢ありがとうございました。失礼します」と深々と頭を下げた。
金髪がキラキラと輝いて眩しかった