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このサイトのSSL証明書の期限切れを機にスマートフォンにもいくつかのVPN機能を有するセキュリティアプリケーションをインストールし、意味も無く接続先を変えたりホワイトリストを作ったりして遊んでいる。曲がりなりにもサーバー構築を試みている身でありながら相変わらずコンピューターには暗く、ましてやコンピューターネットワークともなればお手上げである。それでもアプリを入れて画面のどこかをタップすればとにかく通信を暗号化してくれるようなので有難い。今のところ有料のものしか試していないが無料のVPNアプリもたくさんあるようである。

PCもストレージもネットワーク機器も、色々なものが一昔前と比較してとても安価になったとはいえ良いものはやはりそれなりの値段であることが多いし、アプリケーションの多くは無料でも取り敢えず使うことができる代わりに広告だらけということがよくあるようだ。検索エンジン自体が広告の性格の強いものだから、世の中あれも広告これも広告で階段の段一つ一つや電車の吊革にまで広告の入っていた頃からあまり変わっていないのかもしれない。私の好きな作家の中島らもがそういうところにまで広告するなとどこかで書いていたように憶えている。
安価な普及品や無料で使えるものがあることは有難いものの、同類の高額なものとの差が極端だと歓迎できないし中間のものが無いのも困る。コンピューターをネットワークに繋いで使うことはひとの生活の基盤的な部分に浸透しているので、そこに大きな差が生じるということは人それぞれの生活の質を大きく左右してしまう。

私は生まれてからずっと貧乏暮らしをしている。そのことを恥や罪に数える人もいる。そういう人々に目を向けてもらいたいとは思わないが、きれいなお金ならあれば楽しいだろうな、と思うことはある。お金のどこまでがきれいでどこからが汚いのかを知るのは難しい。おそらくあるデータが終端のサーバーからどこをどのように経由して自分の端末に到達したのかを知ることよりもずっと難しい。私の生業や今まで取った言動や頭の中に置いていることもグレーなもので、私が僅かなお金を手にする時にも、汚れているのがお金なのか私の手なのかを知るのは難しいのかもしれない。