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日が短くなった。
さっき夕焼けを見ながら自転車を走らせているとき、鮮やかに蘇った光景がある。

ちょうど一昔前の今頃
四十肩がひどくて鍼灸院へ通い始めた。

ネットで調べて飛び込んだそこは、合気道教室を兼ねた日本家屋で、兎の後ろ姿を染めた藍色ののれんをくぐると檜の香りが迎えてくれた。

鍼を刺すのはとても怖かったけれど
３ヶ月も整形外科に通っても、眠れないほどの痛みが取れないので思い切って行ってみたのだ。

作務衣姿の気さくな鍼灸師さんが
柔らかな声で話しかけながら施術してくれた。

鍼を刺し終わるとしばらく放置プレイの時間があるが、小さく流れるジャズに合わせて蚊取り線香の煙が踊るような錯覚を覚えた。

檜と蚊取り線香とジャズ
そして窓の外は次第に夕闇が支配を強める。

その完璧な時間が好きで
いつも予約は５時半にしてもらった。

２回の通院で完全に肩の痛みから解放されたが（すごいことですよ！）そのすばらしいひとときのため、自分へのご褒美としてその後も5～６回通った。

季節が晩秋へと変わり、景色も懐もだいぶ寂しくなったので(^^ゞ通院を打ち切ったが、余裕が出来たらまた行ってみたい。

正直、鍼を刺すと一瞬痛い（個人差あり）しかし、効果は抜群で、私の場合は少し官能的な気分も呼び覚まされた。

未経験の方、是非おすすめします。