アバロン さんの日記
2021
7月
2
(金)
07:41
本文
ある下半身マヒの女性がいました。
その女性は、左手も思うように動かせないので、
もちろん、車椅子を自分で動かすこともできません。
外出、お風呂やトイレでの介助など、すべての世話は
お母さんの役目になっていました。
ある年のことです。
彼女を含めた障害者の方々のために七夕パーティが、
ボランティアの人たちの手で開催されました。
みながとても楽しそうに飾りつけをしていました。
私が、彼女に、「短冊はもう飾ったの?」と聞くと、
「はい、私の願いは一つだけなので、短冊は
一つ飾っただけです」と答えました。
「一つだけ?なんて書いたの」と聞くと、
「お母さんより一日だけ早く死ねますようにって」書いたんです
お母さん、ずっと私の世話ばかりだから。
私はお母さんがいないと困ってしまうけれど、
お母さんには、私の世話をしなくてもいい日が
一日でもあって欲しいな!って思って」
彼女は笑顔でそう言ったのです。
私は感動してその話を、彼女の母親に伝えました。
すると、彼女の母親は、「私も短冊に願いごとを
書いてきますね」と言って、向こうへ行ってしまいました
飾りつけが終わってから、彼女の母親に、
「短冊かざりましたか?」と聞くと、
「ええ、あそこに」と上のほうを指さしました。
ちょっと高い所だったので何て書いてあるのか読めません
「何て書いたんですか?」と聞いてみると、
「贅沢を言わせてもらえば、娘より一日だけ長く生きさせてくださいと書きました」と、娘さんと同じ笑顔でした。
そして、「自分が楽をするために、一日長くと
書いたのではありません。
あの子が安心して天国へ行けるようにと思いまして。
一人ではお手洗いにも行けない子ですからねと続けたのです
この親子の絆を強く感じるとともに、
その明るさに私は救われました。
私達は、今の生活をあたり前のこととして
毎日を過ごしています。
もし、自分一人でトイレにも行けないとしたら…
誰かのお世話にならなければ、
食事もできないとしたら…
そう考えた時、今の生活がどんなにか、
ありがたいものであるかがわかります。
些細(ささい)なことで、不平不満を言ったり、
怒ったりする自分が恥ずかしくなる。
今あるあたり前の幸せに気づき、
感謝の気持で生きていきたいと思います。
<多湖輝氏の心に響く言葉より…>
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