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　昔の話ですが、有る時、本社の都合で、私の居た人員が子会社に移籍されました。世間で良くある話です。其れに反発して辞めた人も居ました。
私が居た会社は、２年続けて赤字だと、黒字の部門と一緒にされました。元々黒字の部門はたまったものでは有りません。赤字の部門を引き受けて、さらに黒字にしなければいけません。

　有る時、私が所属してた子会社の社長が人減らしを始めました。社員が500人に近くなったので、親会社の人事から言われたのでしょう。「君、判ってるよね、何で呼ばれたのか。大企業に成ると、世間の眼も厳しくなる。どうすれば良いか判るね！」とでも言われたのでしょうか。本社の人事も言質を取られない様に、阿吽の呼吸でやれ！みたいな言い方。早速、折角育てた人材を、黒字の別の部門、子会社に当てはめて行く作業を社長は始めました。当人は勿論、其れを育てた先輩も無駄な時間、労力を無駄にしたと思ったかも知れませんが、組織を守らねば新しい社長が来る。そう成らない様に現社長も首を掛けて頑張ってました。

　又或る時、役員が私の処に来て、「50過ぎた人が辞めたいと言ったら、会社は止めないよ！止めるのは20代、30代の若い人だよね」その時は何の話をしにわざわざ来たのか不思議でした。其の1か月後、社長が来て、来月から何処其処に行って呉れと移動人事を持って来ました。エッ？家も買ったばかりですが、何処其処は何か問題が有るのですか？一応社長は言葉を濁したが、はっきり言わなかった。言えば又問題に成るから。そうか先の役員は、社長の露払いで来て、俺に辞めるなどとは言うなよと言う事か。怖い怖い、何処其処の移動先に問題が有るのでは無くて、私が居る部門が、私が問題だったのか。先手を打っておくべきだったが遅かった。

　東京本社で営業会議が有った。西日本責任者で会議に参加したら、私の隣が総務部長、その隣が社長、各地の責任者が発表してる時、横を見たら、総務部長が居眠りしてた。当然社長も気が付いてるはずだが、注意しなかった。な、何でだ！１か月後総務部長に新しい人が来た。社長に何か有ったのですか？とわざと聞いたら、人事のローテイションだとの事。何処に左遷されたかは知らんが、何で総務部長が営業会議に参加したのかの自覚が足りなかった様だ。怖い怖い。