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春は眠い。

一年中眠いけど特に眠い。
40歳を過ぎた頃から、昼下がりに睡魔に襲われることが
しばしばある。

足を掴まれて、沼に引きずり込まれるような、暴力的な睡魔。
止めて、離して、と心で叫び
白目をひんむき、唇を噛み締め、抗おうとする(≧へ≦)

最後の手段は分かっている。それができる状況であれば
外へ飛び出して走ってみることだけれど、できない状況の時の方が多い。
仕事中だったり、美容室でのシャンプー中だったり、ヨガの最中だったり（←少し痛みを伴うくらいでないと眠くなりやすい）電車で降りる駅が近づいたときだったり。

それができる状況のときでも、堕落した心がふっと｢まあ、いいか…｣と抵抗をやめてしまう。だって気持ち良いんだもの。ふっと全身の力が抜けてボーダーを越える瞬間。すとん、と落ちる瞬間が。
できるだけ最後まで意識を保って、最後の瞬きの快感を貪ろうとする。閉じた瞼を開ける力がするりと抜けるときの快感。

それは、恋に落ちる瞬間に似ている。
一応抗ってはみるけれど、どうでもよくなり、どうせ落ちるなら気持ち良く落ちてやろうと開き直る。
できれば幽体離脱して自分が落ちる瞬間を見届けたいくらいだ。


話がそれたが、そんなわけで今も眠い。
眠気覚ましにこうして指先を動かし、少し頭を使っている。