starfish さんの日記
2020
12月
26
(土)
19:39
第2のデヴィ夫人だったかも(≧▽≦)
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チラシの裏にでも書くようなこと
本文
サービス業従事者のお粗末さをさんざん愚痴る私であるが、飲食店関係のバイトをいくつか経験した。
最も印象に残っているのが80年代初期のインド料理レストラン。
ここはオーナー社長自らがインドからスカウトしたシェフ数名が腕を振るう、割と本格的インド料理レストランであった。
午後から閉店までのシフトだと昼はまかない飯、夜はその日に残ったカレーと2食付くのがありがたかった。どちらもおいしいし
そう、金欠だったので食事目当てでバイトしていたのだ。
その店は客の4割ほどが外国人だったが
その中に「彼」はいた。
週3回ほどランチタイムに来る巨漢の中年男、今思えば朝潮関にそっくり。
ニコニコと愛想がよいが、やたらと水をおかわりする。あっという間に飲み干して5回、6回。忙しいランチタイムにそのたびに呼びつけられるので嫌われていた。
ある時、彼はウェイトレスの一人がトレイに乗せていた大きな水差しをヒョイとつかみ「自分は水をたくさん飲むからこれごと置いといて」ということをジェスチャーで示したらしい。
そのウェイトレスが「スタさん、取り返して来て」と言うので「店全体でこの水差しは二つしかないのです。恐縮ですがお返しいただけませんか」と我ながら愛想よく告げると彼は大げさに恐縮して返してくれた。
君の接客態度は立派だ、と来るたびにチップを渡そうとする。日本ではそういう習慣がないので、とそのたびに固辞していたがそんなある日…
珍しく彼は若い日本人女性を伴ってきた。
私の休憩時間にその女性が言うことには
彼女は彼の秘書であり、「彼はパキスタン人で高級ペルシャじゅうたんを商っている。日本の金持ちの顧客が多いので年に2回ほど来日する。裕福でやさしい好人物であることは私たち社員の誰もが保証する。今回の滞在は今月いっぱいである。ついては…」
帰国の際に私を同行して母国での暮らしを見せたい、ゆくゆくは第2夫人として迎えたい、ですと
さらに中年に見えた彼はまだ27歳で親が決めた第1夫人はずっと病の床に就いていると言う。
こんな荒唐無稽な話は信じがたいだろうが
五反田にある会社にまずは来てほしい。社員一同ボスを信頼しているし隠し立てすることも何もない。と。
彼はニコニコしながらプレゼントがある、と小さな包みを渡した。山口百恵のカセットテープだった(古い!)
彼女の歌のようにあなたは美しい、とお世辞も忘れなかった。
彼がトイレに立ったすきに秘書さんにお断りした。まじっすかあ、と本音丸出しで。
彼女は苦笑しつつ「そりゃそうだわね。でも彼はいい人だし気持ちはほんものよ」
私にとっては全然ありがたい話ではなかったが、まじめに心を込めて接客していればときにはいいこともあるのよ、っていうお話でした。
最も印象に残っているのが80年代初期のインド料理レストラン。
ここはオーナー社長自らがインドからスカウトしたシェフ数名が腕を振るう、割と本格的インド料理レストランであった。
午後から閉店までのシフトだと昼はまかない飯、夜はその日に残ったカレーと2食付くのがありがたかった。どちらもおいしいし
そう、金欠だったので食事目当てでバイトしていたのだ。
その店は客の4割ほどが外国人だったが
その中に「彼」はいた。
週3回ほどランチタイムに来る巨漢の中年男、今思えば朝潮関にそっくり。
ニコニコと愛想がよいが、やたらと水をおかわりする。あっという間に飲み干して5回、6回。忙しいランチタイムにそのたびに呼びつけられるので嫌われていた。
ある時、彼はウェイトレスの一人がトレイに乗せていた大きな水差しをヒョイとつかみ「自分は水をたくさん飲むからこれごと置いといて」ということをジェスチャーで示したらしい。
そのウェイトレスが「スタさん、取り返して来て」と言うので「店全体でこの水差しは二つしかないのです。恐縮ですがお返しいただけませんか」と我ながら愛想よく告げると彼は大げさに恐縮して返してくれた。
君の接客態度は立派だ、と来るたびにチップを渡そうとする。日本ではそういう習慣がないので、とそのたびに固辞していたがそんなある日…
珍しく彼は若い日本人女性を伴ってきた。
私の休憩時間にその女性が言うことには
彼女は彼の秘書であり、「彼はパキスタン人で高級ペルシャじゅうたんを商っている。日本の金持ちの顧客が多いので年に2回ほど来日する。裕福でやさしい好人物であることは私たち社員の誰もが保証する。今回の滞在は今月いっぱいである。ついては…」
帰国の際に私を同行して母国での暮らしを見せたい、ゆくゆくは第2夫人として迎えたい、ですと
さらに中年に見えた彼はまだ27歳で親が決めた第1夫人はずっと病の床に就いていると言う。
こんな荒唐無稽な話は信じがたいだろうが
五反田にある会社にまずは来てほしい。社員一同ボスを信頼しているし隠し立てすることも何もない。と。
彼はニコニコしながらプレゼントがある、と小さな包みを渡した。山口百恵のカセットテープだった(古い!)
彼女の歌のようにあなたは美しい、とお世辞も忘れなかった。
彼がトイレに立ったすきに秘書さんにお断りした。まじっすかあ、と本音丸出しで。
彼女は苦笑しつつ「そりゃそうだわね。でも彼はいい人だし気持ちはほんものよ」
私にとっては全然ありがたい話ではなかったが、まじめに心を込めて接客していればときにはいいこともあるのよ、っていうお話でした。
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