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ハンドルネームにも様々ある。特に意味を成さない数字とアルファベットの羅列もあれば、好きなものや趣味や主義主張に関する語句を取り入れたメッセージ性のあるもの、縁のある土地の名前や本名に由来すると思われ実人物像が垣間見えるもの、笑わせるつもりが全面に出ているもの等、分類が難しいくらい多岐に渡る。

私のtincというハンドルネームは長らく使っているメールアドレスから来ている。そのメールアドレスは'Tomorrow is never coming'（明日なんか絶対に来ない）というある曲の歌詞の文句を引用したものである。古い英語の成句に時制の異なる'Tomorrow never comes'というものがあるが、それは人間の時間認識に踏み込む言葉遊び（明日という日が来た際にはそれは既に今日であり明日ではない）であったり「今日できることを明日へ回すな」という警句であったりすると聞く。これが現在進行形になると今日で自分が死んだり世界が滅びたりするかのような不穏が感じられ、当該のアドレス取得当時の私の気分にぴったりと合っていた。

それらの4単語の頭文字を繋げてtincとすると、短いし母音が入っていて発音もしやすいし、広く普及した意味も無い（VPNを構築するツールの名前に使われているようだがそれほどメジャーでない）のでハンドルネームとして有用と思われた。いつか自分がインターネット上で情報を発信するようになったらこの名前にしようと考えるようになり、それから数年が経過した後に人生初のSNSへの参加としてハピスロ世代に登録することを決め、この名前は若干の人目に触れるようになることになった。

そのような次第であり、少し前にプロフィールの内容が乏しいと書かせて頂いたばかりなのに恐縮であるがハンドルネームにも大した背景が無いということである。
名前や看板よりも活動の内容が重要であるという思いはあるものの、それは名前や看板が全く無意味ということではないので登録にあたって再考してから名前をつければよかったかもしれないとも思う。

いつか機会に恵まれるならいろいろな方のハンドルネームの由来を尋ねてみたい。そしてそれを気に入っているか、あるいは変えたいと思ったことがあるか等も聞いてみたい。自分の名前を考えてつけるというのはわりあい不思議な体験で、そこにはきっといろいろな思惑があるであろうと思うからである。