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昔、荻窪の商店街を
３０本くらいの真っ赤な薔薇の花束を
抱えて歩いたことがあります。
結構目立ちました、笑。
行き先は
組事務所、風？笑。

まだ不動産会社に勤めていた頃のお話。
経理が、代理人として請求すべきお金を受け取らずに
委任者から預かっていた領収書を
他の書類と一緒に渡してしまい、
取引を終わったことにしてしまったのです。
当然、委任者から請求が入ります。
数十万円だった、かな。

請求すべき相手は、人足の手配師さん。
会社の形は取っていますが、ほぼ、なんとか組、笑。
その社長さんの紹介で
A藤組の幹部さんの物件も仲介したこともあります。

経理の子は真っ青。
社長はしょうがないと言いながら
苦虫を噛み潰してます。
私、社長に、請求してみればいかがですか、
と言いましたが、
払ってくれる相手じゃないよ、と怒ります。

で、私、例のやって見なければわからない、精神で、
駄目元で
取引は完了して領収書を渡してしまったけれど
お金、払ってください、
って言いに行くために
賄賂？として薔薇の花束を一抱え

事務所の社長は
なんだ、どうした？と言いながらも
笑ってました。

ですが
顛末を話すと
表情が一変。
鬼ってこんな顔、かなあ、と思うほど。
事務所の皆さん、下を向いてます。
足がすくむ、ってこういうことかあって。

まあ、言い分はわかります。
そちらが完了しました、と言った責任を取れ、と。
こんなことすると女っぷりが下がるぞ、とも。
（よけいなおせわです ）

ひとしきり吠えた後で、
今から相手のところに行こう、と言い出しました。
俺が話をつけてやる、と。
黒塗りの、窓スモークの、乗用車２台で
若い衆を引き連れて、相手の方の会社に横付け。

この人がこんな物を持って
俺のところに乗り込んできたんだよ、
顔を立ててやってくれ、
って、ほとんど脅し、ではないでしょうか。

今のように暴対法もなくて
善良な一般市民はほとんど守られてませんでした。

と、ここで奇跡が。

相手側は練馬の建設業者でしたが
名刺交換をして
言い分を飲んでくれたのです。
その後は、私そっちのけで
いわゆる、手打ち？
多分ですが、貸しを作って繋がりを
持った方が、今後の自社の現場にとって得策
と思ったのではないか、と思います。

その後どうなったか知りませんが
うちの会社も賠償することなく。
薔薇の花束の代金は経費で、

無茶苦茶な仕事っぷりでしたねえ