starfish さんの日記
2020
9月
17
(木)
18:01
やさしくて哀しい


本文
昨日、総合病院の耳鼻科へ行った。
待合室に仲睦まじい高齢者カップルがいた。
自宅の改装計画や新車が届いたら二人で温泉へ行く話など、もっぱらご主人らしき人が話しかけ
車椅子の奥様らしき人はボーとした感じでうんうんとうなづいていた。
耳の聴こえが少しでも良くなれば、と奥様の耳垢の除去に来たらしい。男性がこの人は痛がりなのでくれぐれもやさしくやってください、とお願いする声が換気のために開け放った診療室から聞こえた。
会計待ちの間も「気持ちよかった?うーん、きれいになったねえ」と手を握り耳を覗き込み…
耳がさっぱりして少し目にも力が出たご婦人が
突然、真顔で「ところで、お前は今月誕生日だったね。いくつになるの?」
おかあさん、58になりますよ。
え?
親子だったの?ご婦人は90歳くらい、男性は少し若いけれど後期高齢者には違いないと思っていた。
明快な話し声、しっかりした足取りではあったけれど総白髪でとても老けているので50代と聞きショックを受けた。
そのあと、なじみらしい病院スタッフとの会話で10年近くもほとんど一人で介護されてることを知った。
私の隣の年配のご婦人が
まあ、実のお子さんにそんなに手厚くしてもらってなんてうらやましい!と驚嘆の声をあげ
わたしに「ねぇ?」と同意を求めた。
反射的にこくんとうなづいたが声が出なかった。
なぜか哀しくなって「実の子に面倒を見られたくない」と思った。
子どもに言い聞かせるような優しい声で「大丈夫、痛くないよ」と声をかけられたり「がんばったねえ、ずいぶん待ったから疲れたでしょ」とか
労わられたくない。
なぜだろう?
異性から慈しまれるのはむしろ心地よく感じるが
それは異性同士は互いに慈しみ合う関係と認識しているから。
でも、親子は違う。
私は老いても子に従いたくはないし
一生立場が逆転することを良しとしない。
今だからそんなことを言っていられるのかもしれないし
間違っても娘はそんなタイプではないのだけどね。
娘らしく、私が弱ったら世話は専門の人に頼んでときどき「しっかりしなさいよ。ちょっとボケたんじゃないの?」と檄を飛ばして欲しい。
待合室に仲睦まじい高齢者カップルがいた。
自宅の改装計画や新車が届いたら二人で温泉へ行く話など、もっぱらご主人らしき人が話しかけ
車椅子の奥様らしき人はボーとした感じでうんうんとうなづいていた。
耳の聴こえが少しでも良くなれば、と奥様の耳垢の除去に来たらしい。男性がこの人は痛がりなのでくれぐれもやさしくやってください、とお願いする声が換気のために開け放った診療室から聞こえた。
会計待ちの間も「気持ちよかった?うーん、きれいになったねえ」と手を握り耳を覗き込み…
耳がさっぱりして少し目にも力が出たご婦人が
突然、真顔で「ところで、お前は今月誕生日だったね。いくつになるの?」
おかあさん、58になりますよ。
え?
親子だったの?ご婦人は90歳くらい、男性は少し若いけれど後期高齢者には違いないと思っていた。
明快な話し声、しっかりした足取りではあったけれど総白髪でとても老けているので50代と聞きショックを受けた。
そのあと、なじみらしい病院スタッフとの会話で10年近くもほとんど一人で介護されてることを知った。
私の隣の年配のご婦人が
まあ、実のお子さんにそんなに手厚くしてもらってなんてうらやましい!と驚嘆の声をあげ
わたしに「ねぇ?」と同意を求めた。
反射的にこくんとうなづいたが声が出なかった。
なぜか哀しくなって「実の子に面倒を見られたくない」と思った。
子どもに言い聞かせるような優しい声で「大丈夫、痛くないよ」と声をかけられたり「がんばったねえ、ずいぶん待ったから疲れたでしょ」とか
労わられたくない。
なぜだろう?
異性から慈しまれるのはむしろ心地よく感じるが
それは異性同士は互いに慈しみ合う関係と認識しているから。
でも、親子は違う。
私は老いても子に従いたくはないし
一生立場が逆転することを良しとしない。
今だからそんなことを言っていられるのかもしれないし
間違っても娘はそんなタイプではないのだけどね。
娘らしく、私が弱ったら世話は専門の人に頼んでときどき「しっかりしなさいよ。ちょっとボケたんじゃないの?」と檄を飛ばして欲しい。
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