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tinc さんの日記
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tinc さんの日記

[2020-8] 
 
2020
8月 20
(木)
13:00
オリーブの足跡
本文
私がティーンエイジを過ごした2000年代に休刊した雑誌の一つに『オリーブ』がある。1982年に男性向け雑誌『ポパイ』の姉妹誌の位置付けでスタートした同誌は1980年代にティーンエイジャーであった私の伯母の愛読誌であり、2000年代当時にもかなりの冊数が祖母宅に保管されていた。ある時それらはペットボトルのラベルの成分表示まで読もうとする活字依存だった私の目に触れ、親戚の集まりの喧騒からの格好の逃げ場となった。

実際に読んでみて引き込まれるように感じたのをよく憶えている。2000年代に刊行されていたメンズファッション誌を私はいくつか購読していたが、私がファッション誌に感じたことの無かった知性や詩情を『オリーブ』には感じた。これは私のみの感想ではないようで、『オリーブ』はファッションのみに特化した雑誌ではなく昨今「ライフスタイル提案型」と呼ばれる部類の表現をティーン向けに発信した最初であったという話を聞く。ファッションは文化の一部であるから、広い範囲の文化を紹介することは読者のファッションに関する理解や精神性へも奥行きと広がりを与えることになる。
私はこの過去の『オリーブ』に触れる以前から洋服や本を好きだったものの、それまではそれらを何か別のものと思っていた。しかし『オリーブ』に触れてからは両者は親和し得るのだと認識し、「服も本も好き」という自分の嗜好に何かの形が与えられたように感じた。

メンズファッション誌の音楽や映画の紹介はあくまで洒落た会話のための豆知識の提供であるというのが私の印象であった。また本体たる洋服や服飾雑貨の記事も聞こえが良くて意味の無い文章か、さもなくば異性の気を引くための計算と技術といういんちき教則に見えていた。写真だけに価値があってそれすらも考えて観ないといけなかった。『オリーブ』の姿勢はそれとは一線を画す文化的良心のあるものに思われた。もちろんこれには私の捻くれた見方が多分に入っていると思うが、馬鹿の天下のような側面のある2000年代の大衆文化の中で『オリーブ』が休刊を選択したことを見るにそんなに外れてもいないのかとも思う。

私は2000年代のファッションを今だに引き摺っている。それでも服装やその他文化の可視的部分にも宿る不可視の精神に迫ろうとする意志は1980〜90年代の『オリーブ』から受け取ったと思っている。文化に精神性が皆無であることは無いし時代を遡ればきりが無いが、思春期の男子であった私を20年前の女性誌が啓蒙したことを面白く思い出す。今の私は性差や流行には常にでたらめな部分のほうが多いと思っている。それは『オリーブ』を含む様々の啓蒙を受けたからそう思うのである。

私は自分が『オリーブ』に感じた良心を持たねばならないと思う。自分を深く豊かにしようとする道は楽しいばかりではないとはいえ、真剣に歩む価値のある道である。
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