ひろひろ48 さんの日記
2020
7月
28
(火)
19:18
本文
「おじさん」のイメージ。最近のはよくなのが多いですね。
若いころは、「花と小父さん」のイメージか、ロマン・ロランのジャンクリストフにでてくるゴットフリートおじさんみたいなイメージ??「風と共に去りぬ」のクラーク・ゲーブル?「荒野の決闘」のヘンリーフォンダ?「誰がために鐘がなる」のゲーリークーパー?「夕陽のガンマン」のリーバンクリーフ?テレビのドラマ「事件記者コルチャック」のダレン・マクギャビン?「拳銃無宿」のスティーブ・マックイーン?昔のTVか映画のスターが多いなぁ、、
かっこいいおじさんが多くいましたね。
それに比べて日本では、会社帰りの居酒屋で上司、会社の悪口でくだまくおじさん、会社で冗談のつもり?のセクハラのおじさん、くたびれた中年のイメージが多いですね。
で、新聞の書評から、
持続可能な魂の利用 松田青子著 2020年7月26日
◆「おじさん」の欲望に抗す [評]和泉僚子(書評家)
「この国から『おじさん』が消える」との衝撃的な帯コピーだが、ここでいう「おじさん」はカッコ付き。「おじさん」は他者の尊厳をふみにじる奴(やつ)。性別や肌の色、年齢やその他もろもろの差異を理由に社会の既得権側から平気で他者を攻撃する奴の総称である。「おじさん」に年齢は関係なく、「おじさん」が作った社会でうまく働き立ち回るために「おじさん」化する女性もいる。
物語は前半、三十代の元派遣社員の敬子を中心に彼女と周辺の人間たちの「おじさん」への嫌悪と諦め、怒りのドラマが複層的に描かれる。電車で必要以上に制服の少女に近づく奴。アイドルをモデルに陵辱のエロ小説を書き、それをモデル自身の彼女に送りつける奴。正社員という立場を狡猾(こうかつ)に使い、派遣を退職に追いやる奴。積み重なるエピソードが醜悪で胸がつまる。
読後、罪悪感のようなものを感じた。私が社会人となった四半世紀ほど前、事態はもっと露骨だったが、社会はそれから少しも良くなっておらず(世界はだんだんと良くなるはずと考えていた自分がばかのよう)、あの頃生まれていなかった少女たちは相変わらず尊厳無視で扱われている。自分は耐えてきた(「おじさん」化して一部心を動かなくしていた)だけで世間はまったく変わっていない事実を突きつけられ、それが痛い。
ところが後半、敬子が熱中する或(あ)るアイドルグループがキーとなり物語は意外な展開を迎える。量産型アイドルグループのひとつでありながら、微塵(みじん)も笑わず反抗と革命の歌を歌うあの少女たちのグループ。「おじさん」の欲望を具現化してきたプロデューサーによって生み出されたのに、どう計算が狂ったか、革命の歌を歌わされた少女たちはいつしか革命そのものを生き始めてしまう。彼女たちと敬子たちが成し遂げたディストピアとは…。
「おじさん」はいつだって他者をナメているから、この本の影響なんて見くびっているだろう。だが読んだ少女たちはやがて言葉を手にし、動きだす者も現れる。作者は少女たちに実弾を与えたのだ。
(中央公論新社・1650円)
<引用以上>
世の中、一人で動いていないいので、本人の思惑から離れたことが起こることもある。ちょっと面白そうなので、読もうかな。。
若いころは、「花と小父さん」のイメージか、ロマン・ロランのジャンクリストフにでてくるゴットフリートおじさんみたいなイメージ??「風と共に去りぬ」のクラーク・ゲーブル?「荒野の決闘」のヘンリーフォンダ?「誰がために鐘がなる」のゲーリークーパー?「夕陽のガンマン」のリーバンクリーフ?テレビのドラマ「事件記者コルチャック」のダレン・マクギャビン?「拳銃無宿」のスティーブ・マックイーン?昔のTVか映画のスターが多いなぁ、、
かっこいいおじさんが多くいましたね。
それに比べて日本では、会社帰りの居酒屋で上司、会社の悪口でくだまくおじさん、会社で冗談のつもり?のセクハラのおじさん、くたびれた中年のイメージが多いですね。
で、新聞の書評から、
持続可能な魂の利用 松田青子著 2020年7月26日
◆「おじさん」の欲望に抗す [評]和泉僚子(書評家)
「この国から『おじさん』が消える」との衝撃的な帯コピーだが、ここでいう「おじさん」はカッコ付き。「おじさん」は他者の尊厳をふみにじる奴(やつ)。性別や肌の色、年齢やその他もろもろの差異を理由に社会の既得権側から平気で他者を攻撃する奴の総称である。「おじさん」に年齢は関係なく、「おじさん」が作った社会でうまく働き立ち回るために「おじさん」化する女性もいる。
物語は前半、三十代の元派遣社員の敬子を中心に彼女と周辺の人間たちの「おじさん」への嫌悪と諦め、怒りのドラマが複層的に描かれる。電車で必要以上に制服の少女に近づく奴。アイドルをモデルに陵辱のエロ小説を書き、それをモデル自身の彼女に送りつける奴。正社員という立場を狡猾(こうかつ)に使い、派遣を退職に追いやる奴。積み重なるエピソードが醜悪で胸がつまる。
読後、罪悪感のようなものを感じた。私が社会人となった四半世紀ほど前、事態はもっと露骨だったが、社会はそれから少しも良くなっておらず(世界はだんだんと良くなるはずと考えていた自分がばかのよう)、あの頃生まれていなかった少女たちは相変わらず尊厳無視で扱われている。自分は耐えてきた(「おじさん」化して一部心を動かなくしていた)だけで世間はまったく変わっていない事実を突きつけられ、それが痛い。
ところが後半、敬子が熱中する或(あ)るアイドルグループがキーとなり物語は意外な展開を迎える。量産型アイドルグループのひとつでありながら、微塵(みじん)も笑わず反抗と革命の歌を歌うあの少女たちのグループ。「おじさん」の欲望を具現化してきたプロデューサーによって生み出されたのに、どう計算が狂ったか、革命の歌を歌わされた少女たちはいつしか革命そのものを生き始めてしまう。彼女たちと敬子たちが成し遂げたディストピアとは…。
「おじさん」はいつだって他者をナメているから、この本の影響なんて見くびっているだろう。だが読んだ少女たちはやがて言葉を手にし、動きだす者も現れる。作者は少女たちに実弾を与えたのだ。
(中央公論新社・1650円)
<引用以上>
世の中、一人で動いていないいので、本人の思惑から離れたことが起こることもある。ちょっと面白そうなので、読もうかな。。
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