tinc さんの日記
2020
7月
27
(月)
23:46
本文
連休が終わった。私はもうあと何日か連休である。
夕刻に知人から連絡があり、彼の自動車で少し走らないかという誘いであった。この知人は私のこのブログに何度か書かせて頂いた、今年4月に22歳上の女性と結婚した男である。
「すまんね。偉そうに助手席で」と私は彼の車に乗り込みながら言った。
「後ろに座られるほうがタクシーだと思われてるみたいで嫌だけどな」と彼は笑った。
彼は自動車の運転を愛好している。運転免許の無い私にはわかりかねるところもあるが上手でもあるのだろう。結婚後の生活の様子や就いている仕事の事情、趣味のこと等色々と話しながらハンドルを操る彼を見て、私はよくこんなに話しながら運転して交通事故を起こさないものだと関心する。
話しながら1時間ほど走った。途中コンビニでコーヒーを購入し、川沿いに車を停めて暫く沈黙した。
彼は唐突に「お前、最初どう思った?」と私に言った。
私は何のことか分からなかった。
彼が話を続けたところによれば、彼が今の配偶者様と交際を始めた時に、驚いた様子を見せず彼に質問もしなかったのは彼の周囲で私だけであったとのことであった。大きな年齢の違いがあるということは医療介護その他の生活設計に多大な負の影響を及ぼすものであり、所謂末永い幸福な結婚は望めないというのが彼へ向けられた意見に通底する主張であったようだ。
私は少し考え、彼が浴びた反対や心配というものも理解できないではないものの、現実に生活していれば何が起こってもおかしくないので生活設計の安定性というものは常に相対的であり、幸福な結婚の可能性を否定するには充分でないと思うと述べた。また彼の場合は代え難い相手が現実にいたからこそ交際と結婚に至ったのであるから、その事態を否定的に捉えるのであれば他の多くの私権も否定されねばならないのでは、とも加えた。
その後も彼の質問の意図は見えなかったので、「何か困ってんの?」と私は尋ねた。
「逆、逆。今幸せだからさ」と彼は答えた。「でもあの時は結構きつかった。反対する奴を全部説得しないといけないと思ってたから。何でだろうね」
その後は少し雑多な話をしながら走り、彼は私をアパートの前まで送り届けた。別れ際に鞄から茶封筒を出して差し出し、就職祝いだと言った。「要らんわ。親戚か」と私が笑うと、彼も笑ってその茶封筒を引っ込めて去っていった。
彼の結婚生活が現時点で彼にとって幸福なものであるということは何よりである。彼のように優れた人物でも葛藤を経験するのであるから、私が今後葛藤することがあっても異常な事態ではないと思ったほうが良さそうだ。しかし私は寝て起きたら大体のことを忘れてしまうので大した葛藤も無いかもしれない。
夕刻に知人から連絡があり、彼の自動車で少し走らないかという誘いであった。この知人は私のこのブログに何度か書かせて頂いた、今年4月に22歳上の女性と結婚した男である。
「すまんね。偉そうに助手席で」と私は彼の車に乗り込みながら言った。
「後ろに座られるほうがタクシーだと思われてるみたいで嫌だけどな」と彼は笑った。
彼は自動車の運転を愛好している。運転免許の無い私にはわかりかねるところもあるが上手でもあるのだろう。結婚後の生活の様子や就いている仕事の事情、趣味のこと等色々と話しながらハンドルを操る彼を見て、私はよくこんなに話しながら運転して交通事故を起こさないものだと関心する。
話しながら1時間ほど走った。途中コンビニでコーヒーを購入し、川沿いに車を停めて暫く沈黙した。
彼は唐突に「お前、最初どう思った?」と私に言った。
私は何のことか分からなかった。
彼が話を続けたところによれば、彼が今の配偶者様と交際を始めた時に、驚いた様子を見せず彼に質問もしなかったのは彼の周囲で私だけであったとのことであった。大きな年齢の違いがあるということは医療介護その他の生活設計に多大な負の影響を及ぼすものであり、所謂末永い幸福な結婚は望めないというのが彼へ向けられた意見に通底する主張であったようだ。
私は少し考え、彼が浴びた反対や心配というものも理解できないではないものの、現実に生活していれば何が起こってもおかしくないので生活設計の安定性というものは常に相対的であり、幸福な結婚の可能性を否定するには充分でないと思うと述べた。また彼の場合は代え難い相手が現実にいたからこそ交際と結婚に至ったのであるから、その事態を否定的に捉えるのであれば他の多くの私権も否定されねばならないのでは、とも加えた。
その後も彼の質問の意図は見えなかったので、「何か困ってんの?」と私は尋ねた。
「逆、逆。今幸せだからさ」と彼は答えた。「でもあの時は結構きつかった。反対する奴を全部説得しないといけないと思ってたから。何でだろうね」
その後は少し雑多な話をしながら走り、彼は私をアパートの前まで送り届けた。別れ際に鞄から茶封筒を出して差し出し、就職祝いだと言った。「要らんわ。親戚か」と私が笑うと、彼も笑ってその茶封筒を引っ込めて去っていった。
彼の結婚生活が現時点で彼にとって幸福なものであるということは何よりである。彼のように優れた人物でも葛藤を経験するのであるから、私が今後葛藤することがあっても異常な事態ではないと思ったほうが良さそうだ。しかし私は寝て起きたら大体のことを忘れてしまうので大した葛藤も無いかもしれない。
閲覧(1685)
カテゴリー | ||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
|
コメントを書く |
---|
コメントを書くにはログインが必要です。 |