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今日はいつものように公園で日中を過ごした。ベンチが良い木陰になっていたので、珍しく履いていたサンダルを脱いで両足を投げ出すと、そのことだけで身軽になったような気がした。

そこへ一匹の見知らぬ犬がやって来て、おもむろに片足のサンダルをくわえて走り去った。

リードを引き摺りながら嬉しげに走った彼あるいは彼女は間もなく走り寄ってきた飼い主に取り押さえられ、サンダルを奪われて叱責を受けた。飼い主は私にサンダルを返却しながらリードを放した不注意を詫び、私は自分が怪我を負っていないことを伝えた。犬はその間もサンダルを見ていた。

彼らが去った後、歯形の残ったサンダルを眺めると自然と笑みがこぼれた。犬が無事で何よりであった。おまけに私のサンダルは唯一無二のものになった。
夕方になって帰宅する間も、マスクの下の私の顔は笑っていた。