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多くの人が行き交う商店街で、私の前を一人の男性が歩いていきます。

年は私と同じぐらい？
長い髪を後ろで結わき、アロハシャツにジーンズをちょん切った半ズボン、ビーチサンダル履きで歩いていました。

時刻はお昼過ぎの真昼間
私は『この人は一体何をやっている人なのだろう？』と思いながら、その男性の後ろを歩いていました。

電話が掛かってきたらしく、半ズボンのポケットからスマホを取り出すと・・・
「おぉ！お前か？　そうだ！お前、あの女と結婚しろよ！」

＜あの女＞で通じるところが面白い！

「な～んでよ、いいじゃね～か？・・・じゃ、同棲しろ同棲！、え？オレが？バカやろ！オレがヤってる訳ね～だろがよ　なんで同棲もダメなんだよ！え？あ、そっか？じゃ～しょうがね～な」
電話の相手には決まった彼女さんでもいるのでしょうか？
最初の勢いはどこへやら？
段々トーンダウンした口調に、私は後ろで一人苦笑していました。

下品な話し方は論外ですが、湘南にはこの手の男性が沢山います。

仕事をしてるんだか？遊んでるんだか？
何か海関係のお店でもやっているのかもしれませんが、そんな人たちの服装は、常に身なりを整えている私とは雲泥の差です。

仕事中でも時にはサーフィンにでも打ち興じようか？という出で立ちですが、貰った電話にいきなり自分の思いだけをぶっつけて、他人の耳も憚らず　聞こえよがしにまる聞こえの内容は、どうにも戴けない話でした。