tinc さんの日記
2020
5月
4
(月)
00:48
本文
最近は起床すると、今日は何から流そう、とCDラックや音楽データのリストを眺める。常に音楽が必要というわけではないが時と場合によりBGMが欲しくなる。そしてしばしばそれがバックグラウンドで終わらず、じっと聴き入ることになる。
昨日はレインボーの『バビロンの城門』がそれだった。『バビロンの城門』という曲(原題Gates of Babylon)も入っているが、アルバムの原題は1曲目の『ロング・リヴ・ロックンロール』(原題Long Live Rock' n 'roll)である。ローカライズの際に表題曲が変わっているということだ。昔のアルバムは営業上の都合であると思うがタイトルにも工夫が見られて、当時の版元の意図や業界模様、リスナーの心情などを想像するのも楽しい。もちろんこれには功罪両面があって、例えばフランク・ザッパのアルバムの邦題などは面白いけれども罪の方の側面が強いと思う。
『バビロンの城門』は良曲揃いの名盤であり、中でも個人的には若かりし頃に初めて聴いた『キル・ザ・キング』の衝撃が心に色濃く残っている。サウンドも歌詞も恐ろしく攻撃的で美しく、当時の私の今よりもなお乏しい知識の中でロックミュージックの一つの極致になった。ジョージ・オーウェルの小説『1984年』を読んだときも思ったことだが、先人がこれほどのことを成し遂げた後で自分がこの先することなんか残っているのだろうか、と途方に暮れることにもなった。
シンガーのロニー・ジェイムズ・ディオはこの曲の歌詞をチェスのゲームについて歌ったものと語った、という話を聞いたことがある。亡くなって10年経った今でもヘヴィメタルの大御所であるこの人は、レインボーより後の自身のバンドのアルバムジャケットの解釈に対しても捻った感じの答えをしていたこともあり、韜晦するというか人を煙に巻くというか、自身の表現についてあまり簡単には教えてくれない人だったのかもしれない。
インターネットで手軽に大量の情報が手に入るようになったのは有り難いことだが、そんなに正確で整理されたものは未だ無いように見える。図書館や中古屋でCDを漁っていた頃はライナーノーツを読めることが音楽を聞けるのと同じくらい大事なことだった。今の私は油断して少し知ったつもりになっているだけである。知っているのとインターネットを検索できるのとは違う。私にとってのヒーロー達の姿が今は遠いところに霞んで見えるようで、怠惰が歩みを弛ませたものと反省している。
昨日はレインボーの『バビロンの城門』がそれだった。『バビロンの城門』という曲(原題Gates of Babylon)も入っているが、アルバムの原題は1曲目の『ロング・リヴ・ロックンロール』(原題Long Live Rock' n 'roll)である。ローカライズの際に表題曲が変わっているということだ。昔のアルバムは営業上の都合であると思うがタイトルにも工夫が見られて、当時の版元の意図や業界模様、リスナーの心情などを想像するのも楽しい。もちろんこれには功罪両面があって、例えばフランク・ザッパのアルバムの邦題などは面白いけれども罪の方の側面が強いと思う。
『バビロンの城門』は良曲揃いの名盤であり、中でも個人的には若かりし頃に初めて聴いた『キル・ザ・キング』の衝撃が心に色濃く残っている。サウンドも歌詞も恐ろしく攻撃的で美しく、当時の私の今よりもなお乏しい知識の中でロックミュージックの一つの極致になった。ジョージ・オーウェルの小説『1984年』を読んだときも思ったことだが、先人がこれほどのことを成し遂げた後で自分がこの先することなんか残っているのだろうか、と途方に暮れることにもなった。
シンガーのロニー・ジェイムズ・ディオはこの曲の歌詞をチェスのゲームについて歌ったものと語った、という話を聞いたことがある。亡くなって10年経った今でもヘヴィメタルの大御所であるこの人は、レインボーより後の自身のバンドのアルバムジャケットの解釈に対しても捻った感じの答えをしていたこともあり、韜晦するというか人を煙に巻くというか、自身の表現についてあまり簡単には教えてくれない人だったのかもしれない。
インターネットで手軽に大量の情報が手に入るようになったのは有り難いことだが、そんなに正確で整理されたものは未だ無いように見える。図書館や中古屋でCDを漁っていた頃はライナーノーツを読めることが音楽を聞けるのと同じくらい大事なことだった。今の私は油断して少し知ったつもりになっているだけである。知っているのとインターネットを検索できるのとは違う。私にとってのヒーロー達の姿が今は遠いところに霞んで見えるようで、怠惰が歩みを弛ませたものと反省している。
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