松任谷 彩 さんの日記
2020
4月
28
(火)
11:27
本文
連休中も家から出られません。
この機会を利用し、映画三昧です。前回4/25の「シネラマ・西部開拓史」に続く2回目のブログになります。よろしく♫
1992年公開、製作ワーナー・ブラザースの西部劇です。監督・主演はクリント・イーストウッド。イーストウッドが師と仰ぐドン・シーゲルとセルジオ・レオーネに捧げた‘’最後の西部劇‘’と語った入魂の一作です。
事件の発端は1880年ワイオミングの片田舎。二人のカウボーイが、たわいない痴話喧嘩から娼婦の顔を切り刻む事件が発生する。
鬼保安官(ジーン・ハックマン)のカウボーイに対する沙汰が甘過ぎて、娼婦から反感の原因をつくる。復讐に燃えた娼婦達は、賞金を賭けて殺し屋を募る。
かっての残忍な悪党マニー(C・イーストウッド)が、娼婦の賭けた賞金を得ようと昔の仲間(モーガン・フリーマン)と若いガンマンと共に最後の追跡の旅に出る。
年老いたガンマンという設定で登場したアウトローは、銃の腕もおち、馬も巧みに乗りこなせない。生活のための金稼ぎに転じ、復讐鬼として賞金に挑む。
従来の「正義」対「悪」という単純な図式ではなく、登場人物の一人一人が人を傷つけるのを掘り下げる。暴力の本質を見つめ直していく哲学的とも云える人間ドラマで構成されているのが凄い。鬼保安官のG・ハックマンと、賞金稼ぎのR・ハリスの鬼気迫る演技や、雄大な景色も圧巻です。
[もう一つの見方]
この映画に出てくる人物に、良い人は誰もいない。
無理矢理でも良い人を探すなら、昔の仲間(モーガン・フリーマン)のインディアン
の妻と、マニーの幼子二人ぐらい。
イーストウッドもモーガン・フリーマンも娼婦の仇であると、大義を切っているように見えるが、所詮そんなのは稼ぐための言い訳でしかない。マニーが一番の悪党だと判る。
事件の発端となったカウボーイは、娼婦の顔を切り刻む酷い人間である。娼婦たちは賞金をかけて殺しを依頼する。復讐の気持ちは判るが、人殺しに対して安易すぎる。
ジーン・ハックマン演じる鬼保安官は、街の平和を守ると息巻くが、要は自分の収める街を支配するために残忍な暴力を持って統治している。いわば独裁者だ。どこかトランプ大統領と重なる。
でも、映画全体がカッコよく見えてしまう。これは何だろうか?
この映画の2年前に湾岸戦争があった。アメリカが多国籍軍をを指揮してイラクへ行った。一方的に勝った。正義も悪もない。やったもん勝ち、勝てば官軍なのだ。
クウエートに軍事侵攻し、中東におけるアメリカの利権を確保した。
アメリカは正義のためと言ってたけど、その後の歴史を見ると、ヤリ過ぎだと判る。
西部劇って、いつも こんな要素が残ります。
[画像①]作品賞・監督賞・助演男優賞・編集賞
助演男優賞はG・ハックマン。編集賞のジョエル・コックスはC・イーストウッド作品の常連製作陣。この映画では狭い部屋での5定点カメラの撮影を巧みに編集
[画像②]生活ため、惨めな養豚作業耐えていたが、
若いガンマンの誘いに乗ってしまうマニー。幼子二人が見守るショット
[画像③]昔の仲間(モーガン・フリーマン)を誘って
賞金稼ぎの、追跡の旅に出るが、悲劇が前にはだかる結果に
[画像④]ジーン・ハックマン演じる鬼保安官
街の平和を守ると息巻く、残忍な暴力性を持った独裁者。3人の殺し屋が、彼の餌食になってしまう
[画像⑤]酒場での決闘
殺し屋マニーが、鬼保安官数人に挑む。奇策はあらず
[画像⑥]500号の油絵を見るような
賞金を手にしたマニーは、亡き妻の墓石に挨拶を交わしてフレームアウト。エンドロールが続く
※予告編 ↓ ↓
http://www.nicovideo.jp/watch/sm17255777
この機会を利用し、映画三昧です。前回4/25の「シネラマ・西部開拓史」に続く2回目のブログになります。よろしく♫
1992年公開、製作ワーナー・ブラザースの西部劇です。監督・主演はクリント・イーストウッド。イーストウッドが師と仰ぐドン・シーゲルとセルジオ・レオーネに捧げた‘’最後の西部劇‘’と語った入魂の一作です。
事件の発端は1880年ワイオミングの片田舎。二人のカウボーイが、たわいない痴話喧嘩から娼婦の顔を切り刻む事件が発生する。
鬼保安官(ジーン・ハックマン)のカウボーイに対する沙汰が甘過ぎて、娼婦から反感の原因をつくる。復讐に燃えた娼婦達は、賞金を賭けて殺し屋を募る。
かっての残忍な悪党マニー(C・イーストウッド)が、娼婦の賭けた賞金を得ようと昔の仲間(モーガン・フリーマン)と若いガンマンと共に最後の追跡の旅に出る。
年老いたガンマンという設定で登場したアウトローは、銃の腕もおち、馬も巧みに乗りこなせない。生活のための金稼ぎに転じ、復讐鬼として賞金に挑む。
従来の「正義」対「悪」という単純な図式ではなく、登場人物の一人一人が人を傷つけるのを掘り下げる。暴力の本質を見つめ直していく哲学的とも云える人間ドラマで構成されているのが凄い。鬼保安官のG・ハックマンと、賞金稼ぎのR・ハリスの鬼気迫る演技や、雄大な景色も圧巻です。
[もう一つの見方]
この映画に出てくる人物に、良い人は誰もいない。
無理矢理でも良い人を探すなら、昔の仲間(モーガン・フリーマン)のインディアン
の妻と、マニーの幼子二人ぐらい。
イーストウッドもモーガン・フリーマンも娼婦の仇であると、大義を切っているように見えるが、所詮そんなのは稼ぐための言い訳でしかない。マニーが一番の悪党だと判る。
事件の発端となったカウボーイは、娼婦の顔を切り刻む酷い人間である。娼婦たちは賞金をかけて殺しを依頼する。復讐の気持ちは判るが、人殺しに対して安易すぎる。
ジーン・ハックマン演じる鬼保安官は、街の平和を守ると息巻くが、要は自分の収める街を支配するために残忍な暴力を持って統治している。いわば独裁者だ。どこかトランプ大統領と重なる。
でも、映画全体がカッコよく見えてしまう。これは何だろうか?
この映画の2年前に湾岸戦争があった。アメリカが多国籍軍をを指揮してイラクへ行った。一方的に勝った。正義も悪もない。やったもん勝ち、勝てば官軍なのだ。
クウエートに軍事侵攻し、中東におけるアメリカの利権を確保した。
アメリカは正義のためと言ってたけど、その後の歴史を見ると、ヤリ過ぎだと判る。
西部劇って、いつも こんな要素が残ります。
[画像①]作品賞・監督賞・助演男優賞・編集賞
助演男優賞はG・ハックマン。編集賞のジョエル・コックスはC・イーストウッド作品の常連製作陣。この映画では狭い部屋での5定点カメラの撮影を巧みに編集
[画像②]生活ため、惨めな養豚作業耐えていたが、
若いガンマンの誘いに乗ってしまうマニー。幼子二人が見守るショット
[画像③]昔の仲間(モーガン・フリーマン)を誘って
賞金稼ぎの、追跡の旅に出るが、悲劇が前にはだかる結果に
[画像④]ジーン・ハックマン演じる鬼保安官
街の平和を守ると息巻く、残忍な暴力性を持った独裁者。3人の殺し屋が、彼の餌食になってしまう
[画像⑤]酒場での決闘
殺し屋マニーが、鬼保安官数人に挑む。奇策はあらず
[画像⑥]500号の油絵を見るような
賞金を手にしたマニーは、亡き妻の墓石に挨拶を交わしてフレームアウト。エンドロールが続く
※予告編 ↓ ↓
http://www.nicovideo.jp/watch/sm17255777
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