松任谷 彩 さんの日記
2020
3月
28
(土)
10:18
本文
黒澤明の「七人の侍」が1954年(昭和29年)に東宝で公開され、700万人の観客動員を記録した。この数字は、どの上映館もぎゅうぎゅう詰めの状態を指します。
一方、同じ年に公開された「足摺岬」は松竹系で上映され、多くの女性ファンを引き寄せました。田宮虎彦の原作に加え、木村功と津島恵子主演のメロドラマは、泣かせる映画で大ヒット。
木村功は31才、津島恵子28才の時に、「七人の侍」と「足摺岬」に掛け持ちで撮影に入りました。七人の侍では木村功は「岡本勝四郎」の役名で、か弱い侍に扮し、森の中で百姓の娘の「志乃」と出会い、互いに惹かれ合う。
津島恵子は志乃を演じ、父に髪を切られ男装を強いられる。勝四郎に思い寄せる素朴で純情な少女だが、情熱的なものを内に秘めている。
スクリーンでの二人の関係は、赤い糸で結ばれたように見えたが、熱愛映画の「足摺岬」でも、実生活でも、そうは成らなかった。
1945年、木村功が22才の時に終戦の広島は帰郷したが、家族は8月6日の原爆により全員が死亡していた。のちの映像の世界でも、痩せこけて肩の落ちた彼の姿は、このショックからか。東宝スタジオでバイト作業で食い繫いでいた1949年、痩せこけた俳優を探していた黒澤監督の目に留り「野良犬」や「天国と地獄」などの作品に出演を果たす。戦後の左翼運動による独立プロに共鳴し、出演作品も多くを重ねていきます。年令不詳の若さがあり、スマートでダンディのかげりがあって女性ファンが多かった。
むかし、ヒロインを訪ねて足摺岬を訪ねた事があります。
作品は吉村公三郎監督で近代映画社作品。もう一度、映画のおさらいをしようと、TSUTAYAを探したが置いて無かった。そもそも貧乏会社はDVDを創らなかった。
「足摺岬」と「足摺岬からの眺望」がそろって二つ星☆☆になるハズだったが、それは良し。しかし、コンクリートの建物が立ち並び、雰囲気は壊されました。
ヒロインは撮影から58年後の2012年、胃がんのために都内の病院で86才没。
木村功は1981年、食道癌のため58才で亡くなりました。苦労人の役者だったかもしれません
[画像]① 津島恵子は1953年作「ひめゆりの塔」で初めて他社出演し、主演代表作となる。松竹専属を蹴って東映を救った立役者となる。
[画像]② 木村功は痩せこけて年令不詳の侍で登場。
[画像]③ 木村功と津島恵子の密会。同年に撮影中の「足摺岬」と重なる。
[画像]④ 二人を演技指導する黒澤監督。「志乃はお転婆な娘と云うイメージで創ったけど、津島君は行儀の良いタイプだった」と語る。
[画像]⑤足摺岬の前半は、卑しさを生きる二人の関係を描く。観る者に向かってフォークで投げ突かれるので難解。
[画像]⑥足摺岬の後半。自殺願望の男が女性の郷里に訪ねてくる。直球メロドラマが展開していく。
一方、同じ年に公開された「足摺岬」は松竹系で上映され、多くの女性ファンを引き寄せました。田宮虎彦の原作に加え、木村功と津島恵子主演のメロドラマは、泣かせる映画で大ヒット。
木村功は31才、津島恵子28才の時に、「七人の侍」と「足摺岬」に掛け持ちで撮影に入りました。七人の侍では木村功は「岡本勝四郎」の役名で、か弱い侍に扮し、森の中で百姓の娘の「志乃」と出会い、互いに惹かれ合う。
津島恵子は志乃を演じ、父に髪を切られ男装を強いられる。勝四郎に思い寄せる素朴で純情な少女だが、情熱的なものを内に秘めている。
スクリーンでの二人の関係は、赤い糸で結ばれたように見えたが、熱愛映画の「足摺岬」でも、実生活でも、そうは成らなかった。
1945年、木村功が22才の時に終戦の広島は帰郷したが、家族は8月6日の原爆により全員が死亡していた。のちの映像の世界でも、痩せこけて肩の落ちた彼の姿は、このショックからか。東宝スタジオでバイト作業で食い繫いでいた1949年、痩せこけた俳優を探していた黒澤監督の目に留り「野良犬」や「天国と地獄」などの作品に出演を果たす。戦後の左翼運動による独立プロに共鳴し、出演作品も多くを重ねていきます。年令不詳の若さがあり、スマートでダンディのかげりがあって女性ファンが多かった。
むかし、ヒロインを訪ねて足摺岬を訪ねた事があります。
作品は吉村公三郎監督で近代映画社作品。もう一度、映画のおさらいをしようと、TSUTAYAを探したが置いて無かった。そもそも貧乏会社はDVDを創らなかった。
「足摺岬」と「足摺岬からの眺望」がそろって二つ星☆☆になるハズだったが、それは良し。しかし、コンクリートの建物が立ち並び、雰囲気は壊されました。
ヒロインは撮影から58年後の2012年、胃がんのために都内の病院で86才没。
木村功は1981年、食道癌のため58才で亡くなりました。苦労人の役者だったかもしれません
[画像]① 津島恵子は1953年作「ひめゆりの塔」で初めて他社出演し、主演代表作となる。松竹専属を蹴って東映を救った立役者となる。
[画像]② 木村功は痩せこけて年令不詳の侍で登場。
[画像]③ 木村功と津島恵子の密会。同年に撮影中の「足摺岬」と重なる。
[画像]④ 二人を演技指導する黒澤監督。「志乃はお転婆な娘と云うイメージで創ったけど、津島君は行儀の良いタイプだった」と語る。
[画像]⑤足摺岬の前半は、卑しさを生きる二人の関係を描く。観る者に向かってフォークで投げ突かれるので難解。
[画像]⑥足摺岬の後半。自殺願望の男が女性の郷里に訪ねてくる。直球メロドラマが展開していく。
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