starfish さんの日記
2020
3月
8
(日)
15:18
伯母の呪縛(プロジェクト番外編)


本文
伯母の終活プロジェクトが始まったとき
ああ…来るべき時が来た、と観念した
伯母にとって私はたった一人の血縁。
いや、ほんとうはもっといるらしい。
が、伯母の性格が災いして縁を切ってしまった。
私もできれば縁を切りたかったが
そこまでしたら自分が許せなくなるからできなかった。
伯母の性格
思い込みが激しく
面倒見がよい反面とことん人を支配したがり
人の気持ちを一切考えない。
幼少期に両親の離婚で伯母の世話になったが
思い出したくないことばかり。
伯母は良く面倒を見てくれたが
しつけにきびしくちょっとしたことでビンタが飛ぶ。
洋裁が得意でよく服を作ってくれたが
まったく趣味に合わず泣きたくなるようなものだった。
咥えたばこで仮縫いするので
よくたばこの火があたってしまった。
悲鳴を上げると
アンタがちょろちょろ動くからだ!と逆切れされた。
どうしてまず「ごめん」の一言が出ないのか
幼心に不思議でたまらなかった。
伯母の母は若くして未亡人になったが世間知らずでぼーっとしていた。
伯母の弟はろくでなしで女房に逃げられた。
だから母親と弟と、弟の子である私の面倒を見ることで人生を奪われた、が口癖だった。
長じて生意気になった私は伯母にぶつかった。
「それはあなたが選んだことだ。逃げることだってできたのに。そのことで私に当たるのはお門違いだ」
伯母は
「肉親は持って生まれたさだめ。そこから逃げることはできない。お前も逃げられないんだよ」
私に上昇志向が芽生えると
「人間、不相応なことを考えると罰が当たる」と抑えつけた伯母。
どうにか生活力がつくとその呪縛から逃れたくてずっと疎遠だった。
大人同士としての冷静な普通の会話は決してできなかったから。
伯母の中では私は
「大切に育てて大学まで出して結婚まで面倒見てやったのに自分を捨てた恩知らず」だそうで
近年の伯母の窮状は↑この伯母の妄想を信じた、伯母の周囲からの連絡で知らされた。
正直な気持ちはこのささくれみたいなものを
早く取り去ってすっきりしたい、というものだった。
だからサクサクと動いた。
ありがたかったことは
身内を放置していた私を
そして義務感丸出しの私を
誰も責めなかったことだ。
時代は変わった
「肉親の面倒を見るのは義務。私はそれで人生を潰された」と呪文のように伯母から聞かされていたのでうれしい驚きだった。
そうだよね。負の連鎖は断ち切らないと。
やるだけやったので
今はとてもすがすがしい。ちょっと痛かったけれど、やっとささくれをはがした感じ。
伯母はもう「こちら側」には戻らない。
肉体も精神も文字通り「あちら側」にいる。
もう突然の恨み言の電話もない。
ストーカーのごとく私の生活圏に現れることもない。(疎遠だった期間はこれらに悩まされた)
これからはスキップで面会に行って、淡々と帰ってこられそう。
ああ…来るべき時が来た、と観念した

伯母にとって私はたった一人の血縁。
いや、ほんとうはもっといるらしい。
が、伯母の性格が災いして縁を切ってしまった。
私もできれば縁を切りたかったが
そこまでしたら自分が許せなくなるからできなかった。
伯母の性格
思い込みが激しく
面倒見がよい反面とことん人を支配したがり
人の気持ちを一切考えない。
幼少期に両親の離婚で伯母の世話になったが
思い出したくないことばかり。
伯母は良く面倒を見てくれたが
しつけにきびしくちょっとしたことでビンタが飛ぶ。
洋裁が得意でよく服を作ってくれたが
まったく趣味に合わず泣きたくなるようなものだった。
咥えたばこで仮縫いするので
よくたばこの火があたってしまった。
悲鳴を上げると
アンタがちょろちょろ動くからだ!と逆切れされた。
どうしてまず「ごめん」の一言が出ないのか
幼心に不思議でたまらなかった。
伯母の母は若くして未亡人になったが世間知らずでぼーっとしていた。
伯母の弟はろくでなしで女房に逃げられた。
だから母親と弟と、弟の子である私の面倒を見ることで人生を奪われた、が口癖だった。
長じて生意気になった私は伯母にぶつかった。
「それはあなたが選んだことだ。逃げることだってできたのに。そのことで私に当たるのはお門違いだ」
伯母は
「肉親は持って生まれたさだめ。そこから逃げることはできない。お前も逃げられないんだよ」
私に上昇志向が芽生えると
「人間、不相応なことを考えると罰が当たる」と抑えつけた伯母。
どうにか生活力がつくとその呪縛から逃れたくてずっと疎遠だった。
大人同士としての冷静な普通の会話は決してできなかったから。
伯母の中では私は
「大切に育てて大学まで出して結婚まで面倒見てやったのに自分を捨てた恩知らず」だそうで
近年の伯母の窮状は↑この伯母の妄想を信じた、伯母の周囲からの連絡で知らされた。
正直な気持ちはこのささくれみたいなものを
早く取り去ってすっきりしたい、というものだった。
だからサクサクと動いた。
ありがたかったことは
身内を放置していた私を
そして義務感丸出しの私を
誰も責めなかったことだ。
時代は変わった


「肉親の面倒を見るのは義務。私はそれで人生を潰された」と呪文のように伯母から聞かされていたのでうれしい驚きだった。
そうだよね。負の連鎖は断ち切らないと。
やるだけやったので
今はとてもすがすがしい。ちょっと痛かったけれど、やっとささくれをはがした感じ。
伯母はもう「こちら側」には戻らない。
肉体も精神も文字通り「あちら側」にいる。
もう突然の恨み言の電話もない。
ストーカーのごとく私の生活圏に現れることもない。(疎遠だった期間はこれらに悩まされた)
これからはスキップで面会に行って、淡々と帰ってこられそう。
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