アバロン さんの日記
2020
2月
22
(土)
06:42
本文
ある老舗のお菓子屋では、女将の笑顔を
慕ってやってくる客も多い。
女将に会うだけで元気になる人もいる。
いまでは押しも押されぬ女将だが、
実家はサラリーマンの家だった。
老舗の商家へ嫁いで色んなことに戸惑い、
もう耐えられない実家に帰ろうかと迷っていた時、
夫のお婆さまにこう言われたそうである。
「そんな暗い顔をしていたら、寄って来る
福も逃げてしまいますよ。
貴方のためにも店のためにも良くない。
今、実家に帰るのが悔しいのだったら、
一年間だけ笑顔で頑張ってみたらどうか。
自分の疲れた顔はかくして、本心なんて
人には絶対に見せないぞと、面だけでも
つくってやってみなさい。
福の神様にも嘘をつくつもりで。
それでも駄目だったら、帰りなさい。」
女将は、次の日から笑顔と挨拶だけは心がけてみた。
すると、女将の評判は上がりだし、客も「いい人が
来たわね」と話して行くと、お姑さん達の
機嫌も良くなり、店の人達の態度も変わって来た。
「福の神様をだますつもりで商売用の笑顔を作って
来たつもりだつたけれど、今ではこれが地になって、
落ち込んで いても、他人様の前では、落ち込んだ
顔が出来なくなってしまったことが難点ですわ」
と今では女将が笑うようになり、
まるで女将が福の神になってしまつたようだ。
女将は、子供達に「何の縁があるかも知れないの
だから、外に出たら、笑顔としゃっきりした姿で
いなさい」と言っているそうだ。
笑顔は人のためならず、巡り巡って自分に返って来る。
だから、笑顔のいい人は元気なのだろう。
(斎藤茂太「あなたと会うと元気になる」より)
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