風まかせ さんの日記
2019
12月
27
(金)
22:07
本文
今年もあとわずかですね
早いものだ
図書館で、知人のAさんと会った。
Aさんに「何か探し物でも?」と聞かれ、「じつは…」と「白状」した。
この図書館の入口には「リサイクル本(除籍済み)」とシールが張られた本が書棚に並べられ、自由に持って行ってよいことになっている。もちろん返却しなくてもよい。
かつては、ここで沢木耕太郎の写真集を見つけた。ときどき、なぜ「除籍」するのだろうと、いぶかしく思う。
「いま、酒を控えているので、コーヒーでも飲みましょうか」とAさんに誘われ、図書館前広場の店でコーヒーを飲んだ。
新聞によると、イクラ、タラコなど魚卵の「当たり年」で、正月も多少安くなるそうですねとAさんが切り出した。
魚の卵ではたべてまずいものはあるまいと思うと応え、かつて東欧に旅したときの、キャビアの話をした。
これはカスピ海産のが逸品とされ、事実おいしいものだが、黒海産もなかなかのもので、それも灰緑色の大粒で、ほとんど生に近く、ねっとりと糸を引くものが格別だ。
どんぶり鉢にキャビアをいっぱい入れ、その中央にどっしりとした金貨を一枚そっとのせ、その沈みぐあいでキャビアのよしあしを判定する方法があると、何かで読んだことがあるが、
そんなことをせずに、かつてルーマニアで体験したことだが、黒パンにバターをぬり、そこにキャビアを「惜しげもなく」盛り上げ、新鮮なレモンをひねる、すると、レモン汁の酸とキャビアの脂が反応しあって、たちまち表面が白くなってくる。
(ワクワクしながら)せいいっぱい大口あけて頬張るのである。(男のくせになさけないが)これよりほかに幸せはないと思った。
「日本にもありますよ」とAさんがニヤリとする。
Aさんは東北出身の人で、
「陸(オカ)キャビア」といいってもいいでしょうと話をしたそうだったので、ぼくは「トンブリ」のことは知っていたが、きくことにした。
キャビアはチョウザメの卵だが、これはホウキ草というものの実、仁丹くらいの大きさだが、小粒のキャビアそっくりの色をしている。
味も香りも、とりたてていうほどのものは何もないけれど、見た目にもヒリヒリするような辛い大根おろしにまぜちょっとお醤油をかけてから、フーフー熱々のご飯にのせ、ハフ、ハフといいながら頬張ってごらんなさい。思わず微笑みがこぼれおちることはまちがいありませんと、ニヤリとする。
東北の料理がおいしい小料理屋さんに案内しますよ。
たまに、こういうラチもない話も、無聊を慰めてくれる。
早いものだ
図書館で、知人のAさんと会った。
Aさんに「何か探し物でも?」と聞かれ、「じつは…」と「白状」した。
この図書館の入口には「リサイクル本(除籍済み)」とシールが張られた本が書棚に並べられ、自由に持って行ってよいことになっている。もちろん返却しなくてもよい。
かつては、ここで沢木耕太郎の写真集を見つけた。ときどき、なぜ「除籍」するのだろうと、いぶかしく思う。
「いま、酒を控えているので、コーヒーでも飲みましょうか」とAさんに誘われ、図書館前広場の店でコーヒーを飲んだ。
新聞によると、イクラ、タラコなど魚卵の「当たり年」で、正月も多少安くなるそうですねとAさんが切り出した。
魚の卵ではたべてまずいものはあるまいと思うと応え、かつて東欧に旅したときの、キャビアの話をした。
これはカスピ海産のが逸品とされ、事実おいしいものだが、黒海産もなかなかのもので、それも灰緑色の大粒で、ほとんど生に近く、ねっとりと糸を引くものが格別だ。
どんぶり鉢にキャビアをいっぱい入れ、その中央にどっしりとした金貨を一枚そっとのせ、その沈みぐあいでキャビアのよしあしを判定する方法があると、何かで読んだことがあるが、
そんなことをせずに、かつてルーマニアで体験したことだが、黒パンにバターをぬり、そこにキャビアを「惜しげもなく」盛り上げ、新鮮なレモンをひねる、すると、レモン汁の酸とキャビアの脂が反応しあって、たちまち表面が白くなってくる。
(ワクワクしながら)せいいっぱい大口あけて頬張るのである。(男のくせになさけないが)これよりほかに幸せはないと思った。
「日本にもありますよ」とAさんがニヤリとする。
Aさんは東北出身の人で、
「陸(オカ)キャビア」といいってもいいでしょうと話をしたそうだったので、ぼくは「トンブリ」のことは知っていたが、きくことにした。
キャビアはチョウザメの卵だが、これはホウキ草というものの実、仁丹くらいの大きさだが、小粒のキャビアそっくりの色をしている。
味も香りも、とりたてていうほどのものは何もないけれど、見た目にもヒリヒリするような辛い大根おろしにまぜちょっとお醤油をかけてから、フーフー熱々のご飯にのせ、ハフ、ハフといいながら頬張ってごらんなさい。思わず微笑みがこぼれおちることはまちがいありませんと、ニヤリとする。
東北の料理がおいしい小料理屋さんに案内しますよ。
たまに、こういうラチもない話も、無聊を慰めてくれる。
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