ユンタク さんの日記
2019
9月
26
(木)
08:00
本文
サエコさんと会えずにさらに1週間ほどが経過した頃、夕雁でお兄さんにサエコさんが戻っている事を聞いた。
その日の夜に一人でアパートに行ってみたが、電気が付いておらず相変わらず居なかった。
しかし、表札があり引っ越してはいないようであった。
帰宅してから考えた。
僕が好きな事はこの間の一件で分かっている筈だが、面と向かって告白をしていなかった。
ちゃんとフラれた方がスッキリすると思い、手紙を書いた。
ラブレターである。小学生以来だ。
手紙だけじゃ味気ないので、海岸で拾った桜貝に似た小さな二枚貝の一つに、針で小さな穴を開け、表面を透明のニスでコーティングし、お袋のネックレスからキレイなシルバーの鎖を頂戴し、その貝につけてペンダントを作った。
もともと手先は器用で、細かい作業は好きだったので、我ながら売れるんじゃない!?と言うレベルに仕上がった。
翌日の夕方に、それと手紙を沿えた手提げ袋を、玄関のドアノブへ掛けて帰宅した。
でも、それからもサエコさんと会う事もなく、そのペンダントや手紙が渡ったのか分からずにいた。
それ以来、そのアパートに足を運ぶ事はなかった。
半年近くが経った頃、僕も進路が決まってまた遊び呆けている時に、夕雁のお兄さんから
「明日、サエコさんの送別会があるんだけど、二人も来る?」
僕と龍二はそう誘われたので、顔を見合わせ「うん」と頷いた。
翌日は、他にも顔の知らない人達十数人が来ていて、賑やかな送別会になっていた。
久し振りに見るサエコさんは、髪型が少し変わったくらいで、あのエキゾチックな表情は相変わらずだった。
to be continued…
その日の夜に一人でアパートに行ってみたが、電気が付いておらず相変わらず居なかった。
しかし、表札があり引っ越してはいないようであった。
帰宅してから考えた。
僕が好きな事はこの間の一件で分かっている筈だが、面と向かって告白をしていなかった。
ちゃんとフラれた方がスッキリすると思い、手紙を書いた。
ラブレターである。小学生以来だ。
手紙だけじゃ味気ないので、海岸で拾った桜貝に似た小さな二枚貝の一つに、針で小さな穴を開け、表面を透明のニスでコーティングし、お袋のネックレスからキレイなシルバーの鎖を頂戴し、その貝につけてペンダントを作った。
もともと手先は器用で、細かい作業は好きだったので、我ながら売れるんじゃない!?と言うレベルに仕上がった。
翌日の夕方に、それと手紙を沿えた手提げ袋を、玄関のドアノブへ掛けて帰宅した。
でも、それからもサエコさんと会う事もなく、そのペンダントや手紙が渡ったのか分からずにいた。
それ以来、そのアパートに足を運ぶ事はなかった。
半年近くが経った頃、僕も進路が決まってまた遊び呆けている時に、夕雁のお兄さんから
「明日、サエコさんの送別会があるんだけど、二人も来る?」
僕と龍二はそう誘われたので、顔を見合わせ「うん」と頷いた。
翌日は、他にも顔の知らない人達十数人が来ていて、賑やかな送別会になっていた。
久し振りに見るサエコさんは、髪型が少し変わったくらいで、あのエキゾチックな表情は相変わらずだった。
to be continued…
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