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最近まで入院していた。

そこで若くて綺麗な看護婦さんに出会った。

彼女はいつも甘く透き通った声で私に話しかけた。彼女は最高の笑顔で私に接してくれた。彼女はたびたび優しく私の患部や体に触れ、ゆっくりと心を込めて撫でてくれた。彼女が私の体に触れる機会は、明らかに多く、触れ方は誰よりも甘美であった。彼女はいつも近すぎるくらいの距離で私を見つめ、話しかけた。私と彼女は、たびたび少し長すぎるくらいの時間見つめ合った。私には彼女の気持ちが分かっていたし、彼女には私の気持ちが伝わっていた。私は、彼女と密かに連絡先を交換し、交際し、結ばれることを確信していた。



現在、退院してしばらく経つのだが、当然彼女とは何もない。彼女にとって私は一患者に過ぎず、彼女は一患者に対して看護師としての仕事をしたに過ぎない。二人の交情は完全に私の勘違いであった。入院し、看護されるという非日常によって引き起こされた誤解であった。

彼女との時間は楽しく、痛みが和らいだことは言うまでもない。彼女の手厚い看護には心から感謝している。

怪我は一応治りつつあるが、彼女のことが思い出され、心が苦しいことを認めざるをえない。彼女と会うことはもうないだろうし、会ったところで思いが成就することはない（常識からして不釣合いが甚だしい）。苦しみが増すと思われるので、むしろ会いたくない。

早く怪我を治し、日常を取り戻したいものである。

それにしてもあの看護師さんは、勘違いをさせやすい看護師さんだと思う。悪気は無いだろうし、思いやりを持って丁寧に看護しているだけなのだろうけど。