tinc さんの日記
2019
8月
26
(月)
12:37
本文
私の愛読書の中でも最高の一冊と言えるかもしれない。一切の救済の無い悲劇であり、この本を読むのはたいへんな苦痛なのだが、その苦痛の大部分は実は自身の邪悪や低劣を暴かれるためのそれであると思う。若い時分にこの本を初めて読んだ時の衝撃は筆舌に尽くし難く、自分が生まれてくるより前にこれを書いた人がいるのに、自分がこの先生きていて為すことなど残っているのかと悩んだ。それ以前に知ったラッセルやヴィトゲンシュタインやファインマンや漱石の衝撃は当然大きかったが、オーウェルの印象は別種の何かであった。
私は人生の苦痛に耐えられないように感じるとこの本を手に取る。私にとって人生が苦痛である時、私は何かを誤解していることが多い。自分が永遠に生き続けるように思っていたり、他人が私のために生きていると思っていたり、他人の頭の中を理解できたような気になっていたりと様々である。誤ったことを信じて生きているとどこかに歪が生じ、そこから押しのけられた事実が思考も感情も圧迫する。
自分を陳腐で卑小なものだと認識しながら、ある程度生かしておいてやろうと思うようになったのはこの本を読んでからである。ここに描かれる地獄は同時に正義の姿を浮き彫りにしている。
それにしても、こうしてまとまらないながら思ったことを書いていると、何とも言えない透明な心持がする。私はもっと早くここに登録するべきだったのだろう。
私は人生の苦痛に耐えられないように感じるとこの本を手に取る。私にとって人生が苦痛である時、私は何かを誤解していることが多い。自分が永遠に生き続けるように思っていたり、他人が私のために生きていると思っていたり、他人の頭の中を理解できたような気になっていたりと様々である。誤ったことを信じて生きているとどこかに歪が生じ、そこから押しのけられた事実が思考も感情も圧迫する。
自分を陳腐で卑小なものだと認識しながら、ある程度生かしておいてやろうと思うようになったのはこの本を読んでからである。ここに描かれる地獄は同時に正義の姿を浮き彫りにしている。
それにしても、こうしてまとまらないながら思ったことを書いていると、何とも言えない透明な心持がする。私はもっと早くここに登録するべきだったのだろう。
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