ふろーる さんの日記
2021
7月
30
(金)
23:51
本文
石段を降りると、初夏を迎えてそこここから垂れ下がるように咲き誇る
スイカズラの甘く どこか葡萄にも似た香りが漂ってくる。
胸いっぱいに吸い込みながら建物入り口に差し掛かると
トランクルームの陰から憤った声が聞えてきた。
「だからね、私が皆の前で糾弾したから払わないって、私のせいにしたんですよ」
小藤氏のこの話が出るのはもう5度を上回る。
集合住宅の玄関前通路で一塊になる住民達がいると
必ず話題になるのは5階の早野初子の事である。
小藤氏は通りかかると必ず輪に入って来てこの話をする。
本来、騒動の発端を作ったのがこの人だと私は思っているが。
「とにかくもう何とかしないと、どうにもならないと思います。
署名運動しても前のように間違えて本人に回覧する人は後回しにすればいいんです」
と毅然と言い放つのは、古参の住人の川島文子。
この建物の住人の間では一目置かれている個人事業主だ。
発端は小藤氏が棟の管理人当番に当たった年の事
前年度の共用費の赤字すれすれだったにも関らず
翌年度の最初の共用費の一律半額措置を取らなかったのが発端となった。
年間を通して出費が少なかった黒字の年度には
次年度月初に半額還元措置をとって住民に恩恵があるようにしていたのが仇になった。
早野初子が何故共用費が半額になってないのかと異を申し立て支払いを拒否したのだ。
要するにいちゃもんをつけた訳だが、真面目な小藤氏にはそれが許せなかった。
「総会に出席して異議を唱えなかったのが悪い」と切り捨てられ
初子は発狂した。玄関前道路に散乱するゴミ、早朝からの騒音、隣室の窓を割った。
小藤氏の話題に出た「糾弾」とは、団地の共同集会所の掃除当番の際
遅刻して悪びれもしない初子に我慢が切れた彼が
皆の前で早野初子さんは共用費を今年になってから支払い拒否しているが
それをどう思うかと暴露された事であり
その場で全員から「払いなさいよ」「自分達の負担であんたがタダはないだろう」と
当然の事を口々に言われ、根に持っているだけなのだ。
その年、強固に支払いを拒絶したまま、翌年度に問題持ち越しとなったのだ。
その翌年というのは私が管理人当番であり、問題なく当初は支払いがあり
住人一同それはそれは驚いたものであったが、長くは続かなかった。
その年の2度目の大掃除の初夏の日曜日
この建物の草取りエリアはどこよりも広範囲に渡るため負担が大きい。
欠席者は共用費とともに罰金制度があり、一律2,000円を支払わねばならない。
しかし、共用費の集金担当である班長が月末に相談にやって来た。
初子が自分は出席したのに罰金を科せられた、今後は払わない。
そう言い、頑として共用費さえも払わず、配布した集金袋は窓から外の草地に捨てられていた。
新たに集金袋を作成し、年3回の大掃除用に作成した出席表を携え
初子の部屋へ赴きドアチャイムを押した。
どたどたという足音が聞え、間もなく鍵を回転させる音がした途端
異世界への扉がおもむろに開いた。
眉間に皺を寄せた初子が出て来て私をねめつける。
「管理人ですけど、罰金についてお話を伺いに来ました」
すかさず「私は出席したのに何故罰金を払わなければならないのか」
と喧嘩腰に早口で抗議する。
「一班の玄関前に出席簿を置いてましたので、丸をつけなければ欠席扱・・・」
遮るようにまくしたてる初子「そんな事は聞いたこともない!
誰も私に教えてくれなかったのに!それで欠席扱いするのか!」
いやしかし、と前回の出席簿を見せ「ちゃんと前回は丸がしてあって
知らないなら前回の出席は一体誰が・・・」
話を遮る初子のターンだ。
「大体いつも私をのけ者にして必要な事を教えてくれないのは悪意があるでしょ!
くぁwせdrftgyふじこlp!(←口に出来ない雑言を表すネット用語)」
こちらが話をしようと息を吸い込むタイミングを見計らうかのように
私の口が開く都度、初子の口が長々と動き続ける見事さに、呆気に取られた。
気が付けば勢いよくドアは閉まり、施錠する音とドスドスという怒りに満ちた足音が
部屋の奥へと消えて行き、私は再び現実世界に生還し、息をついた。
それからが度重なる玄関前道路のゴミや騒音との戦いへと発展して行ったのだ。
やがてそれは冷え込む冬の夜にローカルTVの記者が訪問してくる事件へと発展して行く。
(登場人物は全て仮名の上、フェイクが混じっております)
似たような人を見つけてしまいましたw
如何に基地さんには話が通じないかはこの動画を見ても解ります。
本当にテンプレートでもあるのかというくらい、出鱈目混じりの同じ反応がw
スイカズラの甘く どこか葡萄にも似た香りが漂ってくる。
胸いっぱいに吸い込みながら建物入り口に差し掛かると
トランクルームの陰から憤った声が聞えてきた。
「だからね、私が皆の前で糾弾したから払わないって、私のせいにしたんですよ」
小藤氏のこの話が出るのはもう5度を上回る。
集合住宅の玄関前通路で一塊になる住民達がいると
必ず話題になるのは5階の早野初子の事である。
小藤氏は通りかかると必ず輪に入って来てこの話をする。
本来、騒動の発端を作ったのがこの人だと私は思っているが。
「とにかくもう何とかしないと、どうにもならないと思います。
署名運動しても前のように間違えて本人に回覧する人は後回しにすればいいんです」
と毅然と言い放つのは、古参の住人の川島文子。
この建物の住人の間では一目置かれている個人事業主だ。
発端は小藤氏が棟の管理人当番に当たった年の事
前年度の共用費の赤字すれすれだったにも関らず
翌年度の最初の共用費の一律半額措置を取らなかったのが発端となった。
年間を通して出費が少なかった黒字の年度には
次年度月初に半額還元措置をとって住民に恩恵があるようにしていたのが仇になった。
早野初子が何故共用費が半額になってないのかと異を申し立て支払いを拒否したのだ。
要するにいちゃもんをつけた訳だが、真面目な小藤氏にはそれが許せなかった。
「総会に出席して異議を唱えなかったのが悪い」と切り捨てられ
初子は発狂した。玄関前道路に散乱するゴミ、早朝からの騒音、隣室の窓を割った。
小藤氏の話題に出た「糾弾」とは、団地の共同集会所の掃除当番の際
遅刻して悪びれもしない初子に我慢が切れた彼が
皆の前で早野初子さんは共用費を今年になってから支払い拒否しているが
それをどう思うかと暴露された事であり
その場で全員から「払いなさいよ」「自分達の負担であんたがタダはないだろう」と
当然の事を口々に言われ、根に持っているだけなのだ。
その年、強固に支払いを拒絶したまま、翌年度に問題持ち越しとなったのだ。
その翌年というのは私が管理人当番であり、問題なく当初は支払いがあり
住人一同それはそれは驚いたものであったが、長くは続かなかった。
その年の2度目の大掃除の初夏の日曜日
この建物の草取りエリアはどこよりも広範囲に渡るため負担が大きい。
欠席者は共用費とともに罰金制度があり、一律2,000円を支払わねばならない。
しかし、共用費の集金担当である班長が月末に相談にやって来た。
初子が自分は出席したのに罰金を科せられた、今後は払わない。
そう言い、頑として共用費さえも払わず、配布した集金袋は窓から外の草地に捨てられていた。
初子の部屋へ赴きドアチャイムを押した。
どたどたという足音が聞え、間もなく鍵を回転させる音がした途端
異世界への扉がおもむろに開いた。
眉間に皺を寄せた初子が出て来て私をねめつける。
「管理人ですけど、罰金についてお話を伺いに来ました」
すかさず「私は出席したのに何故罰金を払わなければならないのか」
と喧嘩腰に早口で抗議する。
「一班の玄関前に出席簿を置いてましたので、丸をつけなければ欠席扱・・・」
遮るようにまくしたてる初子「そんな事は聞いたこともない!
誰も私に教えてくれなかったのに!それで欠席扱いするのか!」
いやしかし、と前回の出席簿を見せ「ちゃんと前回は丸がしてあって
知らないなら前回の出席は一体誰が・・・」
話を遮る初子のターンだ。
「大体いつも私をのけ者にして必要な事を教えてくれないのは悪意があるでしょ!
くぁwせdrftgyふじこlp!(←口に出来ない雑言を表すネット用語)」
こちらが話をしようと息を吸い込むタイミングを見計らうかのように
私の口が開く都度、初子の口が長々と動き続ける見事さに、呆気に取られた。
気が付けば勢いよくドアは閉まり、施錠する音とドスドスという怒りに満ちた足音が
部屋の奥へと消えて行き、私は再び現実世界に生還し、息をついた。
それからが度重なる玄関前道路のゴミや騒音との戦いへと発展して行ったのだ。
やがてそれは冷え込む冬の夜にローカルTVの記者が訪問してくる事件へと発展して行く。
To Be Continued
(登場人物は全て仮名の上、フェイクが混じっております)
似たような人を見つけてしまいましたw
如何に基地さんには話が通じないかはこの動画を見ても解ります。
本当にテンプレートでもあるのかというくらい、出鱈目混じりの同じ反応がw
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