関西を代表するテクニカルギタリスト・池田定男さんにインタビュー!【後編】

ギタリストの池田定男さんに、ギターを始めたきっかけや音楽に対する熱い思いをインタビューしてきました。今回は後編をお届け致します。
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▼音楽が自分に恩返しをしてくれた
音楽の偉大さを経験した今は、昔よりも音楽をやる事を楽しいと感じる様になった。

40代の頃に人生の転機が訪れ、その時に何げなく聞いていた音楽が神の声に聞こえた。音楽が自分を励ましてくれている様な、音楽が自分に恩返しをしてくれている様な…。


ギタリスト・池田定男さん   「これが音楽か」と。

音楽の意味が初めて分かった。

昔は自己満足の為に音楽をやっていた。だけど今は人の為にやっている。

自分の音楽で、どれだけ人が楽しんでくれるか。そこに音楽の本質があると思っている。

ライブの感想では「お上手ですね」と言われるよりも、「明日からまた元気にやっていく気力をもらいました」と言われる方がミュージシャン冥利に尽きるね。



▼講師として(池田さんは、大阪芸大と宝塚短大で講師も務められています)
4大と短大では、学生の雰囲気もやはり違っている。
いかにも勉強しよう!というよりも、音楽を自然に取り入れた方がいい。

音楽は感覚で勝負するものだけれど、指導する側になると言葉で説明しないといけなから、論理的に勉強する必要も出てくる。

以前、生徒との会話で、「人生は近道した方がいいか、それとも遠回りした方がいいのか」という話題になった。

今思えば、僕はずいぶん遠回りしたなと思う。
だけど、遠回りして距離が増えた分、その中で拾えた事も多い。
色々な経験が増えたから、遠回りした事も良かったと思える。



▼クラシック音楽との出会い


ある時、「アランフェス協奏曲の2楽章を弾いてみないか?」と話を頂いて、「これを逃すとクラシックを弾く機会はないだろう」と思い、「やります」と。

それから譜面を買いに行ったんだけど、ギターのパートだけでも9枚程もある長い曲。話を頂いてから半年間練習を重ね、本番を迎える頃には譜面は要らなくなっていた。


クラシックの難しい所は、自分のパートだけを覚えればいいというものではなくて、周りとの共鳴が必要なところ。

色々な音楽があるけれど、クラシックは一番尊敬している。
  ギタリスト・池田定男さん


▼最近のご自身のライブでの選曲は?


ギタリスト・池田定男さん   お客さん世代が昔聴いていた曲をアレンジして演奏する事が多い。ジャズアレンジ・ロックアレンジなど…

そういう事をするのが向いていると自分で思う。スタンダードなジャズナンバーは最近あまり演奏しなくなった。

単純な音楽というのが一番難しくて、少ない音で間を持たせるというのが上手い演奏家だと思う。


▼ギター上達のコツとは?

どんなジャンルをするにしても基本は同じ。
まずはスケール練習。絶対に早く弾かない事。
”一つの音につき一秒”くらいの感じで。
まずは同じテンポ・同じ音色で弾ける様になる事。

力が入りすぎると音がずれてしまう。いくらチューニングをしっかりしていても、力んで弾いたら音痴になってしまう。

ギターというのは、例えば同じフレーズを10人が弾いても皆違う音になる。それくらいギターの音には個性が出てくる。



▼今後のご自身の活動は?


ギタリスト・池田定男さん   ミュージシャンというのは、サラリーマンとは違って定年がない業界。

仕事のお話を頂ける限りは、きっとこれからも音楽をやり続けると思います。


・・・と、とても穏やかにお話をして下さった池田さん。

大阪の北新地にあるライブバー「ミスターケリーズ」にて定期的にライブを開催されていますので、是非池田さんのテクニカルなギターと大人の空気感を感じに行ってみて下さい!



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