▼生きている以上、必ず発生するのが「ゴミ」。
みなさんは、ご自分が出されたゴミがどんな風に処理されているか、ご存知でしょうか?
ゴミのゆくえを調べるべく、大阪の舞洲にある、環境局舞洲工場を見学してきました。 この舞洲工場、外観が非常にエキセントリックで魅力的! |
オーストリアの有名な画家で、自然保護建築家でもあるフリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー氏のデザインなんです。
氏いわく「自然界にあるものはみな曲線で、直線はない」。舞洲工場も外壁のレンガのひとつひとつに至るまで、みな曲線で作られています。 |
外観だけではなく、館内に入っても至る所にこだわりが感じられます。支柱のデザイン・色はすべて異なり、同じものは二つと無いのだとか。 舞洲工場は、大阪で大人気のテーマパーク「ユニバーサルスタジオ・ジャパン(USJ)」の近くにあり、建設時期も同じ頃であった為、USJへ行こうとして間違えてこちらへ来てしまう方がよくおられたそうです。 |
それくらい、とっても夢がある外観なんですね~。
▼ゴミが運ばれてくる様子から見ていきましょう
舞洲工場で収集しているゴミは、普通ゴミと粗大ゴミ。
まずはパッカー車が町で集めてきたゴミを、底の深~い”ごみピット”へと投げ込む様子を見てみましょう。
10個程あるゲートには、次から次へとひっきり無しにパッカー車が入ってきて、ゲートが開くと荷台部分が斜めになり、中のゴミをピットへ投げ落とします。 |
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“ごみピット”にはこうして無数のゴミが投げ込まれ、すぐに一杯になってきます。
それを焼却炉へと移す役割をしているのが、“ごみクレーン”。
巨大なUFOキャッチャーの様に、掴めるだけゴミを掴んでは、焼却炉へ移動させています。 |
炉へ投入されたゴミは、乾燥・燃焼・後燃焼という3種類の火格子を通り、灰になっていきます。
燃焼する前と燃焼後で、ゴミのかさは20分の1! 灰になったゴミは、まとめて埋立地へと運ばれます。 |
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中央制御室。24時間体制で
異常がないかを確認しています。
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難しそうな画面とにらめっこする職員さん。 |
▼電気は自家発電。
焼却時に発生した熱はボイラへ送られ、タービン発電装置で電力として利用しています。
舞洲工場で使われる電気はもちろん自力でまかない、余った電気は電力会社へ売っているそうで、昨年度は電力の売り上げが5億円あったとの事!
ゴミはゴミとして終わるのではなく、電気を作って有効に活用されているんですね。 |
「燃えない粗大ゴミ」のごみピットをのぞいてみると、大量の自転車が!! 以前このピットへ、猫ちゃんがゴミに紛れて誤って落下した事があるそうです!クレーンを導入して救出作業をしたらしく、無事に助け出されて本当に良かったですね! |
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燃えないゴミは、鉄やアルミに分類されます。このシステムが面白く、コンベヤーに載せられて流れてきたゴミの内、アルミだけがコンベヤーの途切れる所でポーンと前へ飛びだし、アルミコーナーへ入ります。
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この仕組みは、内臓された磁石のS曲とN曲の反発を使ってアルミだけを飛ばしているんだとか。
分類されたアルミや鉄も再利用の為に販売し、昨年度は鉄が8,000万円、アルミが600万円の売り上げだったそうです。
大事にしていた家具や自転車も、役目を終えて粗大ゴミに出すと粉々に砕かれてしまう…と思うと、ちょっと切ない気分になりますね。 |
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物が安く手軽に手に入る様になった現代では、飽きたり、少し悪くなればすぐに買い替える・・・という傾向になってきています。
しかし物といえど、縁があって自分のもとへやってきたのです。大事に使って、長持ちさせてあげたいですね!
▼自然保護に力を入れていた建築家
フンデルトヴァッサー氏は、「建物を建てる=自然を破壊してしまっている」と捉え、失った分だけ緑を取り戻そうと、敷地内の緑化に努めておられました。 舞洲工場にも二階部分に庭園があります。 |
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向かい側にあるスラッジセンターもフンデルトヴァッサー氏のデザイン。同じく非常に目を惹く外観をしています。
トイレの装飾など細かい部分にもこだわりが感じられます。 |
私達は、決められた曜日に収集場所にゴミ袋を出した後は、もうゴミの事を忘れてしまいがちですが、その後、こんなに多くの過程を辿っていたのですね~。
皆様も機会があれば、ゴミ処理施設を見学してみてください!
想像以上に面白く、多くの発見がありますよ!
【大阪市環境局 舞洲工場】
〒554-0041 大阪府大阪市此花区北港白津1丁目2-48
(06-6463-4153)
※見学は予約が必要です。くわしくはこちらをご覧ください。
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