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１０年ほど前に里子に出した子が亡くなりました。
１０歳、でした。
大きく、真っ黒な体に足元だけ白い。
・・・・・・ワンコさん、です。

その頃、黒山三滝の奥の川辺で
雨に打たれて寄り添っていた
４匹の、目も開いていない子犬を見つけました。
動けず、びしょ濡れで、なす術もなく。
もう泣く声すら出ず、ただ死を待っていました。

急いで体を拭き、車に乗せて
獣医さんのところに駆け込みました。
幸い、衰弱しているけれど、特に悪いところもなく。
家に連れ帰って、スポイトでミルクを飲ませ
お尻をさすって排泄を促し・・・
いつも４匹固まって丸くなって寝ていました。
やがて薄く目があき、覚束ない足で歩き出し。
室内をコロコロ転げながら、探検。
それでも夜になると４匹固まって寝てました。
この愛らしさだけで
全ての労苦が吹き飛ぶ。

起きている時間が長くなり
鳴き声もはっきりしてくると
先住犬のことが気になって、
庭で遊ぶ先住犬のところに行こうと
４匹で転びながらもついて行きます。
軽やかに階段を上下する彼らについて行くには
相当の筋力が入ったのでしょう、
肩を思い切り踏ん張って階段をのぼる
子犬たちも筋肉隆々の体になりました

ネットで里親さんを募集していたところ
次々と、温かい手を挙げていただき、
お断りする羽目にまで。
申し訳ないけれど
辛い目にあった子達の受け入れ先には慎重になります。
ご自宅を訪問して
お会いして、ご家族構成や、飼う動機等伺い
最後まできちんと飼っていただけそうな方を
選ばせていただきました。

３年目に一度オフ会を開きました。
元気な成犬にしてもらって
４匹とも、昔のことは全く覚えてない、笑。
可愛がっていただいているんだなあ、と
飼い主さんへの信頼の態度でよくわかりました。

その中の一匹が亡くなった、と
電話をいただいたのです。
なんの前触れもなく、昼寝から起きてこないで
そのまま永遠に眠ってしまいました、と。
焼いてもらって、近くの霊園にお願いします、とのことです。

あの雨の日に命拾いをして
１０年、大切に育ててもらって
そして、眠るように最期を迎えて。

奥様が大泣きだそうです。
人の心にそんなに刻んでもらって。

そんなに幸せな死を迎えて、
羨ましい、ぞ。

さて
少し大きめのポーク肩ロースのソテー、トマトソース
かぼちゃとなすとブロッコリー添え
生ハムメロン、オリーブオイルを加えて
メロンが出回ってきたので。
野菜サラダ
コンソメスープ
フルーツとコーヒー