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先日、中学校の本部役員を共にした、女性5人での忘年会があった。
元は癌ステージ4のカミングアウトから企画した忘年会。

私が昔行きつけだった パブレストランの個室に、彼女は少し遅れてやって来た。
それまでに集まっていたメンバー3人で、本人から病気の話が出るまで、こちらからはそれを話題にしないと決めてあった。

彼女は開口一番「今日はこのウィッグで来ちゃった。一番評判が良かったんだけど、どう？」
と言い、皆んなは素敵 とウィッグを褒めた。
本当に似合っていた。

ちょっとだけ痩せた様子だったが、元々がスレンダー
言わなければウィッグもお洒落ｻﾝだから、と見える。

「そのヅラ、良いわねー、私もヘアスタイル変えたいわ」
と言ったSさんに「ヅラって言わないで」と睨んで見せた彼女
2人は一番の仲良し。
暗くなりがちな場を笑わせてくれた。

このSさん、前回お会いした時は、旦那さまと別居中。
娘さんと二人、アパート住まいだった。
後に離婚したらしい、と聞いてはいたが、なんだか今は幸せそう…
「遠くから大変でしたね」と言ったHさん(ひとつ違いの最年少)に
「今日は〇〇へ帰るから」って？？
もしかして…

「別宅があるんですか？」
と聞いた私に、左手の薬指を見せて「今は仕事の関係で通い妻だけど、
結婚したのよー」と笑う。
聞けば、60歳を過ぎて、仕事関連の人からお見合いを薦められ、
初婚の男性と結婚したのだと言う。

「お義母さんも良い人で娘とも仲良しだし、旦那さまは頭は薄くて
歳は行ってるけど、私を大事にしてくれる」
「あの時、別れて良かったねー、でなきゃ こんな幸せなかったでしょう？と娘に言われたわ〜」
と惚気てくれた。

Hさんは「良いなぁ」と羨ましがり、嫁ぎ先の愚痴を延々とこぼした。
そこはよくある話なので割愛

一番遅れてやってきたJさん
某国立大の看護学部出身の看護師さんだったが、
今は定年し、施設の医局長をしている。
役員当時、私は友人から
「あの人と一緒に役員なんて大変だねぇ、気をつけた方がいいよ」
「彼女は理屈っぽくて、いちいち言う事がキツい」
「有名大学出身を鼻にかけてる」
等と忠告を受けていたが、特にそんなことはなくて…
私には（呑み過ぎると腰が立たなくなって、旦那さまに迎えを頼む様な、カワイイところがある人）
のイメージ(笑）

病気のことは彼女には黙ってたが、皆んなの話の様子で悟ったらしく、
私が懸念していた看護師の立場からの話は一切しなかった。

笑うのが一番 免疫には良いのよ
と言っただけだった。

私が言われたこと。
「昔から、呑んでも全然顔に出ないけど、ちゃんと酔ってるの？」
「相変わらず言いたいこと言うわねー（笑）」
（真面目そうに見られるけど、と言った私に）「全然そうは見えな〜い」と口を揃えられた。
真面目そうに見えないの？

そして、それぞれがそれぞれの場所に戻る時間、お開き。

通い妻はにこやかに去り、愚痴を放ってスッキリしたHさん、元看護師
Jさんも帰り、スレンダーな彼女も、息子が迎えに来て家に帰った。

私は運転代行を呼んでくれるよう、ママにお願いしたら
「久しぶりじゃない、代行は呼んでもなかなか来ないから、車を置いてっていいから、旦那さまを呼んだら」
「バーカウンターにいらっしゃいよ」
と誘われ、懐かしの社長椅子のカウンターに。
「あれっ」と言う声の主。
見ると、そこには偶然、中学校の本部役員1年目に一緒だった男性が

「方向一緒だし、代行を呼んであるから帰りは送っていくよ」
と言ってくれたので、カウンターで話しながら運転代行が来るのを待つ事になった。

ママが断りもなく、この男性のバランタイン17で水割りを作ってくれる…バランタイン大好き
良いの？と聞いたらどうぞどうぞ とご馳走してくれた。
もう1人、一緒に呑んでた男性も話に加わり、4人で違う飲み会が始まった。

皆んな、私より年上のお兄さんお姉さん。
そこに座って気づいたが、相手構わずタメ口をきく私は、昔と全く変わってなかった。
(後に代行の運転手ｻﾝから、この時に同席したお兄さんは、地元なら誰もが知る大きな会社の社長さんだったと知らされる)

2人分の運転代行の人が来ても「待たせとけば良いよ、せっかく話してるんだから」
と面白がってたみたいだけど、あまりにも失礼だったかしら？
私には関係無い人だからいいか。

帰りは自宅前で大きなワゴン車から降ろしてもらった。
また、あのお店で会いましょう…なんて、次の無い約束をして。

ただいま。

と言って自宅に入ったら
母はベッドに、旦那さまはリビングで、のんびりとTVを観ていた。

平和で、変化のない日常に戻ってきた
と思った。