風まかせ さんの日記
2019
2月
12
(火)
18:33
本文
知人のKさんから連絡があって、あわせたい人がいるという。
図書館広場の喫茶店で会った。
Kさんは、連れ立ったAさんをぼくに紹介しながら
「むかしの日本人みたいでしょう」と言った。
「むかしの日本人」というとぼくは、鬼籍の父とその仲間ぐらいしか知らない。
Aさんは、いかにも誠実そうで、きまじめそうで、無口である。
仕事で東南アジアを旅しているときにベトナムで知り合ったBさんを思い出している。
この人は、太平洋戦争のあと、そのままベトナムに居つづけた。
戦中は地上勤務の航空兵で、元陸軍曹長だったという。
終戦のあとベトナム独立運動にまきこまれ、ベトナム人と寝食をともにした。その後、現地でお嫁さんをもらい、土着した。
この人と、酒を飲みながら夕食をともにした。
相撲の親方にいそうな風格の人で、いつも小さく笑っていた。
おそらく父と同世代のようにみえた。
たとえば、ぼくが子どものころに田畑や店先にいたおじさんの一人と話しているようであった。
むかしの日本人を封じ込めているようであった。
ぼくがイメージとしてきめこんでいる日本人というのは、職種にかかわらず職人型である。
律儀でもある。自分の職分については責任感強く、基本的に寡黙でケレンがない。
情景としていうと、電車ががら空きに空いていても、ひと隅に座り、肩身を小さくして、膝をそろえている。
いまの日本の平均的な印象はどうだろう。
問われたKさんは、自分をふくめて、ぜんたいに水っぽくなり、自我が大きくひろがっているわりには、責任感が希薄そうになったのではないだろうか、とこたえた。
ぼくは、戦前の人をよしとしているわけでもないし、日本人論を語るチカラもない。
父が生きているとき、兄と口争いしたことがある。
すると父は、むかしの日本人は口説(くぜつ)は、あまり言わないものだった、
そうだな、「腹がへったな」ということぐらいのことしか、言わなかったような気がするな。
と、たしなめられた。
恋を知る少女となり春めいて 風来
図書館広場の喫茶店で会った。
Kさんは、連れ立ったAさんをぼくに紹介しながら
「むかしの日本人みたいでしょう」と言った。
「むかしの日本人」というとぼくは、鬼籍の父とその仲間ぐらいしか知らない。
Aさんは、いかにも誠実そうで、きまじめそうで、無口である。
仕事で東南アジアを旅しているときにベトナムで知り合ったBさんを思い出している。
この人は、太平洋戦争のあと、そのままベトナムに居つづけた。
戦中は地上勤務の航空兵で、元陸軍曹長だったという。
終戦のあとベトナム独立運動にまきこまれ、ベトナム人と寝食をともにした。その後、現地でお嫁さんをもらい、土着した。
この人と、酒を飲みながら夕食をともにした。
相撲の親方にいそうな風格の人で、いつも小さく笑っていた。
おそらく父と同世代のようにみえた。
たとえば、ぼくが子どものころに田畑や店先にいたおじさんの一人と話しているようであった。
むかしの日本人を封じ込めているようであった。
ぼくがイメージとしてきめこんでいる日本人というのは、職種にかかわらず職人型である。
律儀でもある。自分の職分については責任感強く、基本的に寡黙でケレンがない。
情景としていうと、電車ががら空きに空いていても、ひと隅に座り、肩身を小さくして、膝をそろえている。
いまの日本の平均的な印象はどうだろう。
問われたKさんは、自分をふくめて、ぜんたいに水っぽくなり、自我が大きくひろがっているわりには、責任感が希薄そうになったのではないだろうか、とこたえた。
ぼくは、戦前の人をよしとしているわけでもないし、日本人論を語るチカラもない。
父が生きているとき、兄と口争いしたことがある。
すると父は、むかしの日本人は口説(くぜつ)は、あまり言わないものだった、
そうだな、「腹がへったな」ということぐらいのことしか、言わなかったような気がするな。
と、たしなめられた。
恋を知る少女となり春めいて 風来
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