TIO さんの日記
2018
10月
13
(土)
08:52
本文
桜の色はすべての愛の根源の色。
桜はその色や薫りや姿で無条件の愛を
差し出している。
ありのままの自分を
愛する自己受容の色でもある。
前向きな
明るい気持ちにさせてくれる魔法の色。
けれども、現実までは変えてはくれない。
気持ちだけが前へ進むことを恐れるように
私は桜を避けた。
その代わりと言ってはなんだが
桜色には執着していた。
ブックカバーや名刺入れ、
淡紅にスパンコールのついた眼鏡ケースを
御守りのようにいつも携帯していた。
その頃の私は甘く優しいものを
求めていたのだと思う。
その一方で私は桜を嫌い、
春を恐れ身を潜めてた。
人生とはどんな意味があるのか、
自分の価値はどのくらいのものなのか、
私は生きていていいのだろうか、
それらの答えを知りたくて
私は一人相撲のように
自問自答を繰り返していた。
家を出て散歩する。
散歩しながら脇道に
咲く小さな花と出逢い、問う。
何故、貴女は生きているの、
ツラくはない?
様々な花と向き合い話すうち、
私の過去が動き出さないアルバムに収まり、陽が差した。
私はひとり、
懐かしい子供の頃を思い出しながら
桜を訪ねた。
丘の上にある公園の真ん中に
綿菓子のような1本の桜。
遠くから見ると
薄紅色の綿菓子にしか見えない桜の木。
近づくにつれ、
突きだしている枝には
優しく美しくも可愛い花が
ぶら下がっていた。
桜の子が
あちこちから聞こえる笑い声が
一緒に歌いましょうと誘ってくる。
ベンチに座った足元の大地から
何万年、何千年分の春の薫りが
立ち上ってくるようで、
この大地に抱かれたいと思った。
風よ吹け!と私は神に願った。
そして、
「ツラいことのある人生で良かった。」
と閃いた。
今日は自分の人生で一番若い日、
明日は今日より経験増やして賢くて。
そんな簡単なことに気づかずに
先を心配してきた日々を思う。
私の価値はなによりも重く尊く、
生きる意味を探し始めてから
本気の人生が始まったのを知る。
桜の季節のように華やぎ、
女性であることを受け入れ生きようと思う。
その時、
神の悪戯のように風が
どこからともなく吹いてきた。
桜の枝々から喜び歌う花びらが舞い始めた。
私はデニムのお尻に仕舞ったスマホを
取りだし、
舞いながら唄う花びらを写真に納める。
キスマークのような花びらが
スマホの画面に貼りつき、
その可愛らしさに心が弾む。
私は死んでいないはずなのに……
ツラかったことが花びらになり、
散っていく。
走馬灯のように散ってく。
「天国みたい……」私は呟いていた。
悪いことのひとつや二つ
過ぎてしまえば笑い事
夢は叶うと諦めず
慣れぬことにもときめいて
この世の春を迎えたり
桜はその色や薫りや姿で無条件の愛を
差し出している。
ありのままの自分を
愛する自己受容の色でもある。
前向きな
明るい気持ちにさせてくれる魔法の色。
けれども、現実までは変えてはくれない。
気持ちだけが前へ進むことを恐れるように
私は桜を避けた。
その代わりと言ってはなんだが
桜色には執着していた。
ブックカバーや名刺入れ、
淡紅にスパンコールのついた眼鏡ケースを
御守りのようにいつも携帯していた。
その頃の私は甘く優しいものを
求めていたのだと思う。
その一方で私は桜を嫌い、
春を恐れ身を潜めてた。
人生とはどんな意味があるのか、
自分の価値はどのくらいのものなのか、
私は生きていていいのだろうか、
それらの答えを知りたくて
私は一人相撲のように
自問自答を繰り返していた。
家を出て散歩する。
散歩しながら脇道に
咲く小さな花と出逢い、問う。
何故、貴女は生きているの、
ツラくはない?
様々な花と向き合い話すうち、
私の過去が動き出さないアルバムに収まり、陽が差した。
私はひとり、
懐かしい子供の頃を思い出しながら
桜を訪ねた。
丘の上にある公園の真ん中に
綿菓子のような1本の桜。
遠くから見ると
薄紅色の綿菓子にしか見えない桜の木。
近づくにつれ、
突きだしている枝には
優しく美しくも可愛い花が
ぶら下がっていた。
桜の子が
あちこちから聞こえる笑い声が
一緒に歌いましょうと誘ってくる。
ベンチに座った足元の大地から
何万年、何千年分の春の薫りが
立ち上ってくるようで、
この大地に抱かれたいと思った。
風よ吹け!と私は神に願った。
そして、
「ツラいことのある人生で良かった。」
と閃いた。
今日は自分の人生で一番若い日、
明日は今日より経験増やして賢くて。
そんな簡単なことに気づかずに
先を心配してきた日々を思う。
私の価値はなによりも重く尊く、
生きる意味を探し始めてから
本気の人生が始まったのを知る。
桜の季節のように華やぎ、
女性であることを受け入れ生きようと思う。
その時、
神の悪戯のように風が
どこからともなく吹いてきた。
桜の枝々から喜び歌う花びらが舞い始めた。
私はデニムのお尻に仕舞ったスマホを
取りだし、
舞いながら唄う花びらを写真に納める。
キスマークのような花びらが
スマホの画面に貼りつき、
その可愛らしさに心が弾む。
私は死んでいないはずなのに……
ツラかったことが花びらになり、
散っていく。
走馬灯のように散ってく。
「天国みたい……」私は呟いていた。
悪いことのひとつや二つ
過ぎてしまえば笑い事
夢は叶うと諦めず
慣れぬことにもときめいて
この世の春を迎えたり
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