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風まかせ さんの日記
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風まかせ さんの日記

 
2018
9月 15
(土)
08:50
ある恋の物語
本文
Kの場合
夏の終わりの日、Kは、カウンターのいつもの左端の席で、これもいつものスコッチウイスキー「タリスカー」を飲んでいた。

この日は、癇癪を起こしたような激しい雨のせいか、店の客はKひとりだった。

しばらくすると、客がひとり入ってきた。バーテンダーにすすめられて、カウンターの右端に座った。

Kは、カウンターの左端から右端に座った客を目で追った。


「あっ!」と声が出そうになった。「M子じゃないか!」。Kは思い出していた。

高校一年のときだった。Kはサッカー部に入った。グランドでは、一年生はボール集めしかやらせてもらえなかったので、Kは、テニス部に所属していたM子が素振りやランニングをしているのを遠くからいつも見ていた。

やがて、練習後に挨拶を交わすようになった。あるときから、お互いの下駄箱をポスト代わりに、「日記」を交すようになった。

「初恋」というものだろうか。初恋の魅力は「恋がいつかは終わる」ということを知らないことにあるのかもしれない。

そのころKは村松友視の小樽を舞台にした『海猫亭の客』を夢中になって読んで、港町小樽に惹かれた。

KはM子に「卒業旅行にぜひ、一緒に小樽に行ってほしい」と交換日記に書いた。

しかしM子はひと月後に引っ越すことになった。引っ越して行く当日、駅まで行って見送るつもりだったが、恵理子の女友達がたくさん見送りに来ていたので、近寄って「返事」も聞けずに遠くから見ていた。


Kは、「思い出」から目を覚ました。Kは、よく聞くフレーズを思い出した。

「男は初恋をあきらめることができず、女は最後の恋をあきらめることができない」。

とはいっても、M子は小樽に行きたいと思っていたが、引っ越しでは詮方無い、可哀想にM子、責めるのはやめよう、とKは踏ん切りをつけた。

「タリスカー」は活力に満ちあふれ、「魂の酒」といわれる。少し酔ったようなので、帰ることにした。

カウンターで会計を済ませ、席を立ち、出入口のドアに向かって歩いた。すると、後ろから、やわらかい声を投げられた。
「K君! 返事が遅れてごめんなさい」



M子の場合
M子は、目の前のバーに飛び込んだ。M子はバーテンダーにすすめられて、カウンターの右端に座った。

女がひとりでバーのカウンターに座ると、男たちは「あの女、ワケありだな」と好奇の目で見る。

何を言っているのよ、急に雨が降ってきて、目の前にドアがあって開けただけよ。

案の定、カウンターの左端の男が私を見ているわ。ちらっとでも目を返すと、男は「オレに気があるな」と勘違いするから無視しよう。

M子は、バーテンダーに「キティ」を作ってもらった。
赤ワインとジンジャーエールのカクテルで。ほどよい甘さとさっぱりとした口当たりで、アルコールがあまり強くないのでほどよい。

ああ、なんときれいな色でおいしいのだろうと、目を上げると、また左端の男が目に入った。あれ? K君じゃないかしら。


M子は思い出していた。
高校一年のときだった。M子はテニス部に入った。一年生はランニングと素振りしかやらせてもらえなかったので、ときどきサッカー部の練習を見ていた。練習が終わって声をかけてきたのがKだった。練習もつまらなかったので、誰でもよかったの。

でも、交換日記のあのフレーズにはまいったわ。大好きなアポリネールの『ミラボー橋』。「われらの恋が流れる。私は思い出す。悩みの後には楽しみが来ると」。

K君は、これをパクったのよ。K君のことより、このフレーズが気に入ったの。

M子は「男の勘違い」を考えていた。

ちょっと楽しそうに話したり、親切にしてあげると男は、「彼女はオレのことを好きかも…」と勘違いし、いきなり肩に腕を掛けてきたりするわ。

男と女は、「好意と恋愛」のとらえ方が違うようだ。女は、好意と恋愛の明確な境目をもっているので、好意は好意、恋愛は恋愛と区別して男女の関係をとらえている。

だから、女は、好意がそのまま恋愛とはならない。

でも、男は、その区別がハッキリしていない。そのために、「好意=恋愛」と思いがちになる。男の勘違いである。


Kは交換日記に書いていた。「卒業旅行にぜひ、一緒に小樽にいってほしい。返事を待つ」。私の引越しのときに、K君が来てくれたのは知っていたけど、K君があまりにも、切羽詰った顔をしていたので、言い出せなかったわ。

交換日記に「K君はいい人だし、嫌いじゃない…」と書いたけど、K君は「嫌いでなければ好きなのかな」と思ったんだわ。
K君には悪いけど、恋人としては対象外だったわ。

Kが席を立って、出口のほうへ歩いて行った。M子はKにやさしく声を掛けた。 
「K君! 返事が遅れてごめんなさい」


閲覧(57)
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投稿者 スレッド
風まかせ
投稿日時: 2018/9/15 18:31  更新日時: 2018/9/15 18:31
プラチナ
登録日: 2018/7/11
居住地: 東京都
: 男性
投稿数: 155
 RE: ある恋の物語
こんばんは おらこさん
コメントをありがとうございます。


恋というものが、「手に入っていないものに対して、近づきたい、得たいと願うもの」だとしたら、

たとえば展覧会で好きな絵をまえにすると、たとえばいい音楽を聴いたとき、恋をしていることになるのでしょう。

つまり、それには、はじまりも終わりもなく、その心の揺れをたのしんでいることにもなり、いわば四六時中恋をしていることになります(笑)。

その恋は、「獲得の満足感」ではないと思いますので、毎日恋をしてよいことになるでしょう。

「きのうまでの自分とこんなに違ってよいものだろうか」という、心の揺れに戸惑ったときは、恋のサインだと思っています。
(あれ?なんか、ヘンなことを言ってますか?)
orako
投稿日時: 2018/9/15 15:40  更新日時: 2018/9/15 15:40
プラチナ
登録日: 2017/1/17
居住地: 岡山県
: 女性
投稿数: 1485
 RE: ある恋の物語
こんにちは

そうなんですね。

男女の恋愛観って、違うのですね。
鈍い私は、一つの物差ししか持っておらず、色々ご迷惑をお掛けしてきたことでしょう。

男は初恋を忘れられず、女は最後の恋を忘れられない・・・・・・。

昔むかし、恋をしたような記憶はありますが、
忘れられない恋というものが無い場合は、、、
そうかまだ最後の恋をしてないんだ。
頑張ろ・・・・

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