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風まかせ さんの日記
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風まかせ さんの日記

 
2018
7月 13
(金)
07:51
「お笑いください」
本文
「墓参りは憂鬱だ」
「そういう季節だな、またどうして?」

知人のAさんは、お坊さんの話をした。
以前の法事のときにお坊さんにお布施をつつんだが、お坊さんはお布施の金額に不満であったらしく、それをAさんに言わず、出入りの石屋さんに言わせたという。

「お寺さんというのは、お金のことは言わないものだと、子どものころからそう思い込んできたものだから、肝をつぶしたんだよ」

むろん、以前のお寺さんもお金はほしかったろうが、それでは人に笑われると思い、むかしは我慢してきたのであろう。


福沢諭吉の「痩我慢(やせがまん)の説」のように、むかしは富貴を得て笑われるよりも、貧に耐えるのがふつうであったと思われる。


日本ではキリスト教的倫理観の風土になく、それの代用といってもよいと思うが、

「笑われまい」という内的規制の共有によって千年以上も社会が保たれてきたと思われる。
「笑われまい」という倫理観である。



明治の財閥岩崎弥太郎の借金証文というのがある。
それはすばらしいもので、金子を貸したのは旧大名家であるが、当の岩崎さんは証文のなかに、いついつ返済する、と書き、もしこのことに違(たが)えば、お笑いください、とあるのみであった。


「お笑いください」というのは、調べてみると、明治以前の証文の一つの型であった。

その型が明治以後、日本に近代資本主義を興したといってもよい弥太郎さんのなかにも、引き継がれていたことが興味深い。



これは「恥の文化」と言い換えてもよいだろう。
いまの日本で、この「恥の文化」がどれほど薄れてきたのかは、たとえば国会でやろうとしていることを新聞などで読むと、よくわかる。
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