ひろひろ48 さんの日記
2021
2月
25
(木)
11:54
本文
<民主主義のあした>誰もが参加 「デジタル民主主義」が築く未来 by オードリー・タン氏
台湾のコロナ対策は、世界でももっとも成功しているものです。その中心になっているオードリー・タン氏、いま、彼女に関する多くの書籍が書店に並んでいます。テレビなどの報道で、天才的な人で、台湾のコロナ対策の中心人物だというくらいの知識くらいしかなかったのですが、新聞の特集で、タン氏、台湾に「民主主義のあした」を見ることができた気がします。新聞の特集の一部を紹介します。WEBのほうで、全文を読めますので、興味あるかたは、ぜひ。一読の価値ありです。
オードリー・タン氏:1981年4月、台北市生まれ。幼いころからプログラミングを独学し19歳でIT企業を起業。米アップル社顧問などを歴任した後、2016年に民間登用でデジタル担当相に就任。トランスジェンダーであることを公表しているそうです。
「後れを取っても負けない」
新型コロナウイルス対策に欧米各国が手間取る中、台湾はデジタル技術を活用して感染拡大を防ぎ、民主主義的な感染症対策のモデルを世界に示した。「デジタル民主主義」を提唱する台湾のデジタル担当相、オードリー・タン(唐鳳(とうほう))氏(39)に民主主義の将来を聞いた。(聞き手=中国総局・坪井千隼)
民主的なプロセスの中で、最も重要なことは相手の意見を聞くことです。そうしなければ、立場が異なる人々が生きる社会で、51%の人々が勝ち、49%の人々が負けることになります。従来の代議制民主主義は選挙で代表を選びますが、数年に1度程度の限られた回数の投票だけでは、社会や政治の問題に対する人々の見解が十分に政治に反映されません。
そこでデジタル技術の力を借りるのです。すべての人がいつでもどこでも、社会問題や公共的課題について優れたアイデアがあれば、社会に提案して広め、政府の政策に反映させることができます。数年に1度の選挙を待つ必要はなく、短い時間で立場の異なる人々と異なる価値観を共有することができます。これこそが私が言うデジタル民主主義です。
民主的に選ばれた代表(議員)であっても、どんなに努力してもすべての有権者の声を聞き、民主的なプロセスに反映させることはできません。そこで、インターネットを通じて直接参加する民衆の意見を理解すれば、不足した部分を補えます。
例えば台湾では現在、ある議題について5000人以上がネット上で署名すれば、2カ月以内に政府の担当部局トップが回答する必要があります。(これまでに議題になったのは)例えばプラスチック製ストローや使い捨て食器の禁止、離島などへき地で医療を受ける権利の問題などです。こうした取り組みは民主主義のチャンネルを増やします。同時に関係する議員を排除せず、一緒に議論することもあります。このような取り組みのメリットは、あらゆる事柄を政府が管理するのではなく、どんな市民もよりよい解決策を提示し、コンセンサスを広めることができることです。
「民主」は政府の行動だけでなく、市民社会がさまざまな方法を通じて社会的に意義のあることを行うことを含みます。これらはすべて社会的なイノベーションです。
マスク地図は行政ではなく、台南市の市民が発案したものです。マスクを売っている場所を探す人々を助けるために、一般の技術者が考えたのです。重要なのは、台湾ではマスク地図よりも以前に、大気汚染の状況や水質を掲載する地図があることです。われわれ台湾の市民社会では、市民が実際の状況を調べ、みんなと共有するということが普及しているのです。
バイデン大統領の就任式で、若き詩人(アマンダ・ゴーマンさん)が語った通りだと思います。民主主義は一時的に後れをとることがあっても、永遠に負けることはありません。
最も重要なのは、民主主義を深めていくことです。市民社会はすでに(さまざまな課題への)解決策を持っています。ですが数年に1回の選挙制度の制限があり、この(投票)過程で異なる立場の人々が大まかなコンセンサスに達することができなければ、当然ながら民主的なプロセスとは異なる行動方法を選択する人々もいるでしょう。いま紹介した台湾の署名制度ならば、ネットが街頭(抗議デモなど)を代替することができます。もちろん街に出て抗議する権利を奪うわけではありません。そうではなく、路上に出て抗議する前にネット上で問題に関与したり、議論したりして、共通の認識を築くことができる。抗議はもちろんできますが、より建設的な方法で抗議できます。
台湾モデルは、マスメディアだけが(情報発信など)メディアとしての役割を果たすのではありません。いかなる市民も(情報発信するための)ネット環境を整えることが可能で、メディアリテラシーも重要になります。今回、台湾市民は正確な科学知識を普及させる役割を果たし、都市封鎖が全くない状況下でも感染を抑制しました。これは言論と報道の自由がある台湾モデルに基づきます。李医師の発した情報も(感染が最初に広まった)武漢の市民には伝わりませんでしたが、台湾市民には速やかに伝わり、対策に生かされました。
社会の変化や問題にいかに速やかに対応するかは、政府の正統性に関わると思います。しかし、民主主義どころか基本的な報道や言論の自由がなければ、政府が社会で実際に発生している状況、たとえば新たな感染症の発生について、明確かつ正確に把握することはできず、自分で自らを縛ることになります。
台湾のコロナ対策は、世界でももっとも成功しているものです。その中心になっているオードリー・タン氏、いま、彼女に関する多くの書籍が書店に並んでいます。テレビなどの報道で、天才的な人で、台湾のコロナ対策の中心人物だというくらいの知識くらいしかなかったのですが、新聞の特集で、タン氏、台湾に「民主主義のあした」を見ることができた気がします。新聞の特集の一部を紹介します。WEBのほうで、全文を読めますので、興味あるかたは、ぜひ。一読の価値ありです。
オードリー・タン氏:1981年4月、台北市生まれ。幼いころからプログラミングを独学し19歳でIT企業を起業。米アップル社顧問などを歴任した後、2016年に民間登用でデジタル担当相に就任。トランスジェンダーであることを公表しているそうです。
「後れを取っても負けない」
新型コロナウイルス対策に欧米各国が手間取る中、台湾はデジタル技術を活用して感染拡大を防ぎ、民主主義的な感染症対策のモデルを世界に示した。「デジタル民主主義」を提唱する台湾のデジタル担当相、オードリー・タン(唐鳳(とうほう))氏(39)に民主主義の将来を聞いた。(聞き手=中国総局・坪井千隼)
民主的なプロセスの中で、最も重要なことは相手の意見を聞くことです。そうしなければ、立場が異なる人々が生きる社会で、51%の人々が勝ち、49%の人々が負けることになります。従来の代議制民主主義は選挙で代表を選びますが、数年に1度程度の限られた回数の投票だけでは、社会や政治の問題に対する人々の見解が十分に政治に反映されません。
そこでデジタル技術の力を借りるのです。すべての人がいつでもどこでも、社会問題や公共的課題について優れたアイデアがあれば、社会に提案して広め、政府の政策に反映させることができます。数年に1度の選挙を待つ必要はなく、短い時間で立場の異なる人々と異なる価値観を共有することができます。これこそが私が言うデジタル民主主義です。
民主的に選ばれた代表(議員)であっても、どんなに努力してもすべての有権者の声を聞き、民主的なプロセスに反映させることはできません。そこで、インターネットを通じて直接参加する民衆の意見を理解すれば、不足した部分を補えます。
例えば台湾では現在、ある議題について5000人以上がネット上で署名すれば、2カ月以内に政府の担当部局トップが回答する必要があります。(これまでに議題になったのは)例えばプラスチック製ストローや使い捨て食器の禁止、離島などへき地で医療を受ける権利の問題などです。こうした取り組みは民主主義のチャンネルを増やします。同時に関係する議員を排除せず、一緒に議論することもあります。このような取り組みのメリットは、あらゆる事柄を政府が管理するのではなく、どんな市民もよりよい解決策を提示し、コンセンサスを広めることができることです。
「民主」は政府の行動だけでなく、市民社会がさまざまな方法を通じて社会的に意義のあることを行うことを含みます。これらはすべて社会的なイノベーションです。
マスク地図は行政ではなく、台南市の市民が発案したものです。マスクを売っている場所を探す人々を助けるために、一般の技術者が考えたのです。重要なのは、台湾ではマスク地図よりも以前に、大気汚染の状況や水質を掲載する地図があることです。われわれ台湾の市民社会では、市民が実際の状況を調べ、みんなと共有するということが普及しているのです。
バイデン大統領の就任式で、若き詩人(アマンダ・ゴーマンさん)が語った通りだと思います。民主主義は一時的に後れをとることがあっても、永遠に負けることはありません。
最も重要なのは、民主主義を深めていくことです。市民社会はすでに(さまざまな課題への)解決策を持っています。ですが数年に1回の選挙制度の制限があり、この(投票)過程で異なる立場の人々が大まかなコンセンサスに達することができなければ、当然ながら民主的なプロセスとは異なる行動方法を選択する人々もいるでしょう。いま紹介した台湾の署名制度ならば、ネットが街頭(抗議デモなど)を代替することができます。もちろん街に出て抗議する権利を奪うわけではありません。そうではなく、路上に出て抗議する前にネット上で問題に関与したり、議論したりして、共通の認識を築くことができる。抗議はもちろんできますが、より建設的な方法で抗議できます。
台湾モデルは、マスメディアだけが(情報発信など)メディアとしての役割を果たすのではありません。いかなる市民も(情報発信するための)ネット環境を整えることが可能で、メディアリテラシーも重要になります。今回、台湾市民は正確な科学知識を普及させる役割を果たし、都市封鎖が全くない状況下でも感染を抑制しました。これは言論と報道の自由がある台湾モデルに基づきます。李医師の発した情報も(感染が最初に広まった)武漢の市民には伝わりませんでしたが、台湾市民には速やかに伝わり、対策に生かされました。
社会の変化や問題にいかに速やかに対応するかは、政府の正統性に関わると思います。しかし、民主主義どころか基本的な報道や言論の自由がなければ、政府が社会で実際に発生している状況、たとえば新たな感染症の発生について、明確かつ正確に把握することはできず、自分で自らを縛ることになります。
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